最新の技術を活用 “災害継承と観光” を兼ねる施設へ「がまだすドーム」3月1日リニューアル《長崎》
島原市の雲仙岳災害記念館=「がまだすドーム」が来月、リニューアルされます。
最新の技術を活用した噴火災害の継承と、より多くの人に伝えるための観光施設としての魅力を磨きます。
山肌に沿って迫ってくるのは、1993年6月に雲仙普賢岳で発生した大火砕流です。
多くの報道関係者や消防団員らが犠牲となった「定点」を再現。
画面を触ると、360度見渡すことができます。
(雲仙岳災害記念館 杉本 伸一館長)
「そこに実際に立っていた時に火砕流が来るというのは、どういうものだったかを疑似体験できる」
真っ白な壁のこの部屋は、プロジェクションマッピングを活用することで、上空を飛ぶ調査船に。
CGで再現した “火山の内部” を探索できます。
普賢岳の噴火災害を後世に伝える島原市の雲仙岳災害記念館=「がまだすドーム」。
噴火災害の終息から6年後の2002年7月に『国内初の火山体験ミュージアム』としてオープン。
初年度の入館者は35万人あまりを数えましたが、コロナ禍には6万人台にまで減少。
教訓をより多くの人に伝えるためにも、観光施設としてのあり方が課題となっていました。
(雲仙岳災害記念館 杉本 伸一館長)
「雲仙岳の災害を風化させることなく、長く伝えていきたい。多くの人が継続して訪れてもらえるようにしていきたい」
7年ぶりとなる今回のリニューアルでは、常設展示のスペースが約1.5倍となり、ドローンやCGなどの最新技術も活用。
噴火当時や、現在の島原の様子を疑似体験できる展示を増やしました。
新たに展示スペースとなった2階には、大火砕流で犠牲となったフランスの火山学者クラフト夫妻のコーナーも。
(雲仙岳災害記念館 杉本 伸一館長)
「人によっては、クラフト夫妻は火山学者ではなく冒険者だという人もいるが、映像と音声でとにかく火山を伝えたいという思いが強くあったと、映像を見ながら感じている」
世界各地の火山活動を記録した、約450点の写真や映像を展示します。
また 江戸時代に起きた “島原大変” を描いた「肥前温泉災記 全」は、アニメーション化。
日本テレビのカメラマンが普賢岳災害の報道時に使用していたカメラは、これまでと変わらず展示され、訪れる人たちに “災害の教訓” を伝えています。
(雲仙岳災害記念館 杉本 伸一館長)
「災害を知らない人がたくさん増えてきている。そういう人に雲仙普賢岳の噴火を知ってもらう。特に地元の子どもたちにも、できるだけ体験してもらう展示を心がけた」
遊具などをそろえた「こどもジオパーク」もリニューアルし、スライダーなどが新たに設置されました。
記念館は、3月1日にオープンします。