思い出いっぱいの学び舎 150年の歴史に感謝を込めて 福江島の小学校閉校式《長崎》
▼受け継がれる「さっきゃま魂」
少子高齢化で人口減少が進む「五島列島」。
このふるさとで代々、家業を受け継ぐ人もいます。
繁殖牛を育てる野口大輔さん、38歳。
長男の兼大くん12歳、二男の海稀くんは10歳、長女の和愛さんは7歳です。
朝から夜まで働く両親の背中を見て育ちました。
農畜産業が多いこの地区では、汗を流して働くその精神を「さっきゃま魂」というそうです。
(二男 海稀くん(10))
「(手伝いは)楽しい。牛がたくさんえさを食べてくれるから」
(妻 和美さん(38))
「(子どもの手伝いは)助かります。うれしい。山も海も見えて、すごく気持ちがいい。人柄も優しくて、そんなところで子どもを育てたいと思って、崎山にきた」
野口さん自身も、父・兼幸さんの背中を見て育ったと話します。
(父 兼幸さん(63))
「僕から移譲したんじゃなくて、自分から手を挙げて『牛やるぞ!頑張るぞ!』って。息子にはまだまだ先が長いので、頑張ってほしい」
(野口大輔さん(38))
「今の子どもたちがあと10年20年後先に、崎山に住んで住みやすい町になってくれれば」
▼150年間ありがとう
いよいよ式当日、卒業生たちが続々と集まってきました。
(卒業生)
「懐かしいなー」
「山下です、松下です」
92歳の牟田さんも、教え子たちとの再会を喜びます。
(アナウンス)
「一同、礼」
(野口兼大さん(6年生))
「親子レクリエーションは、お父さんやお母さんたちが一生懸命計画してくれたので、楽しくできました」
(6年生全員)
「崎山小学校、150年間ありがとう」
<校歌>
♬ われらが里の山々は その名も高きホマーテよ まろき姿の美しく 我らが里を 守るなり
「2、1、どうぞ」
式のあとは、記念碑の除幕式。別れの時が近づいてきました。
最後は、卒業生の松本さんの歌で締めくくります。
<蒼き故郷>
♬ この美しき 故郷の大地よ 白浜に落つる 紅色の椿の花 温かな絆が私を育てた
地域とともに歩んだ150年。
学び舎での思い出は、宝物として、一人一人の心に刻まれます。
~ いつまでも 輝き続けるあなたの 笑顔で ~