【被爆80年】国境越え伝えたい “原爆で受けた心の傷”「長崎の被爆者描いた漫画」万博に展示《長崎》
今月、大阪・関西万博で、1人の被爆者の半生を描いた漫画が展示されました。
長崎市の漫画家が作品に込めた思いとは…。
(漫画家 西岡由香さん)
「すべての漫画は、被爆者との共同作品だと思って描いている」
長崎市の漫画家 西岡由香さん。
(漫画家 西岡由香さん)
「お酒飲んだ時の、嬉しそうな感じの照れたような。そういう表情が私はすごく好きだった。
主人公は(被爆者の)小峰秀孝さんです」
今月、大阪・関西万博の「国連パビリオン」に作品が展示されました。
<漫画吹き出し>
“私は全身にヤケドを負い、右足首は変形して横に歩くことしかできなくなってしまいました”
4歳の時、爆心地から1.5キロで被爆し去年11月、83歳で亡くなった小峰 秀孝さん。
その半生を、1ページ5つのコマで表現しました。
(漫画家 西岡由香さん)
「外国人も日本の人も、食い入るように見つめてくれていたのがとても印象的だった。
言葉が違っても、漫画というのは国境を越えるんだなと、漫画の力を改めて実感した」
去年12月、人権問題をテーマに出展を依頼された西岡さん。
小峰さんの訃報を知ったのは、執筆の最中でした。
(漫画家 西岡由香さん)
「しばらくペンが持てなくなった。ショックで…」
2015年には小峰さんの証言を題材にした『被爆マリアの祈り』を発表するなど、親交が深かった西岡さん。
小峰さんの思いを世界の人に知ってほしいと、表現にこだわったそうです。
(漫画家 西岡由香さん)
「小峰さんのラストではなくて、むしろ万博デビューにしたいと思ったし、言葉がわからなくても絵でわかるように見せようと思った」
特に伝えたかったのは “心の傷” です。
(漫画家 西岡由香さん)
「原爆はその熱線、爆風、放射線という威力がよく語られるが、漫画はキャラクターを通して “心の傷” を描くことができる」
小峰さんのゆがんだ足は、写真をもとにリアルに描写。
わずか5コマの中に、小峰さんが体験した壮絶ないじめや差別も描きました。そして…