切れ味良く長持ち『蚊焼包丁』インバウンド戦略で世界発信目指す 病乗り越え親子で挑戦《長崎》
理学療法士として働く傍ら、仕事終わりや休日には父が待つ工房へ。
(3代目 桑原 和久代表(59))
「持った時に(くぼみが)深すぎる。このくらい。2~3ミリくらい」
(長男 拡大さん(28))
「ここが空く(包丁の間隔が広い)から使いやすい。千切りの時とか」
拡大さんが担うのは、”鍛造” (たんぞう)。
長さ15センチほどの鉄と鋼の板を、熱して、叩いて、伸ばす。
この作業を繰り返すことで包丁の形にしていく重要な工程です。
(長男 拡大さん(28))
「基本すべて両手(が必要)。機械を使うので、力が強かったり微調整とか。するか、しないか、迷ったというよりは体が勝手に動いて、父の復活を待っていた流れ」
“4代目” として、父と共に工房に立つ 拡大さん。若い視点を生かし、SNSでの発信も始めました。
工房での作業風景や、包丁の切れ味の良さなどを動画で紹介し、認知度アップを目指しています。
(長男 拡大さん(28))
「携わっていくにつれて、どんどん蚊焼包丁の歴史だったり、日本の刃物の文化のすごさを改めて感じて。
伝統をつなげて、残していきたいと思うようになった」
(旅行会社)
「こんにちは」
工房が去年から始めたのが、外国人観光客の “包丁づくり体験” の受け入れです。
この日 訪れたのは、カナダの旅行会社のプランナー。
欧米の富裕層向けの体験型旅行プランを作成するための視察です。
(3代目 桑原 和久代表(59))
「こういうふうにたたき終わった包丁が、(研磨をすると)こうなる」
(カナダの旅行会社 アレックスさん)
「とてもきれいになって、完成したものと同じに見えますね。
日本の刃物の魅力を知っている海外の人も多いので、これを求めてまた日本に来たいという人も多いと思う」
海外へのPRは、長崎国際観光コンベンション協会がサポートしています。