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100年続く老舗製造所の女性「しょうゆ ものしり博士」任命 食育として“香りや味”魅力の伝承《長崎》

2025年4月27日 7:00

(林醤油本店 工場長 有田 博さん)
「(熟成することで)角がとれて塩辛さが、まろやかな感じになる。作るときに愛情を込めている」

「林醤油本店」では店舗のほか、地元のスーパーや、オンラインショップでも販売しています。

(林 温子さん)
「微生物が住んでいるので、それとと一番もに半年寝かせて、おいしいしょうゆができる。お客さまがフタを開けたときに香り、味がおいしいものを一番お届けできるのでは」

◆和食に不可欠「しょうゆ」…なのに全国の製造工場が減少

林さんは地元の高校を卒業後、大阪の調理師専門学校で調理師免許を取得。

愛知の懐石料理の店、大阪ではフレンチレストランで料理人として働きましたが、23歳の時に “転機” が訪れます。

(林 温子さん)
「祖父が病気をして…」

4代目として店を守ってきた祖父・茂樹さんが病に。

家業を継ぎたいと決心し、地元へ帰ってきました。

(林 温子さん)
「家系を継ぎたいというのはあった。(茂樹さんから)いろんな人の手がかかって “一つの商品” ができているので、自分1人で作っているのではないというのは、ずっと教えられた」

高齢化や後継者不足が深刻とされる、しょうゆ製造業界。

1955年には、全国に6000の製造工場がありましたが、食の多様化や職人の高齢化などで、今では6分の1の数に。

出荷量、消費量ともに、年々減り続けています。

(林 温子さん)
「なくなっていくのは、さみしい。お互いに切磋琢磨してやっていたので、文化はなくしてはいけない強い思いのほうが勝った」

"受け継がれてきた味を大切にしたい"

◆しょうゆ製造を守るため「官能検査員」資格取得

その思いで取得したのが、しょうゆの香りや味などの違いを正確に見分ける「官能検査員」の資格です。

(林 温子さん)
「作られている樽がどのくらい熟成があるのか、香りだけでも十分わかったりする。
薄口は炊き込みご飯や茶わん蒸し。濃口は魚を煮たり、肉じゃがに最適。(客にも)味見をしてもらって、安心して買ってもらうことをやっている」