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一糸乱れぬ “櫂さばき”「伝統の福田ペーロン」意地と誇りをかけ さらなる “高み” へ《長崎》

2024年7月21日 7:00

「ドラ」と「太鼓」がリズムをとります。

「あか汲み」は、入ってきた海水をくみ出し、メンバーを鼓舞します。

船を真っすぐに保ち、ターンを最短距離で回すのが「舵取り」です。

さらに、並走する船から動きなどを撮影し、メンバーをサポートする人も。この映像を見ながら、監督が個別に指示します。

(中村敬博 監督)
「漕ぎが浅い。もうちょっと深く深く。頭が動きすぎだから、。体重移動しないようにもうちょっと」

▼太鼓とドラの音にのせ 受け継がれる情熱

1571年。長崎開港前の5年間は、“福田浦”(当時) がポルトガルとの唯一の貿易港でした。

郷土史には、乗組員と漁師が小舟で漕ぎ争ったのが「福田ペーロン」の始まりと記されています。

五穀豊穣や大漁を願う神事として、現在まで大切に受け継がれてきました。

この海で「人」そして「地域の絆」を深めてきたのです。

中村敬博監督も、幼いころから太鼓とドラの音に囲まれて育ってきた1人。

15歳から情熱を注いだペーロンは、“きつい中にこそ得られるものがある” ということを教えてくれました。

(中村敬博 監督)
「こうき、頑張れ」

体力の限界まで、必死に漕ぎ続けるメンバー。

(メンバー)
「あー!」

(漕ぎ手 深江悠太さん)
「きついですね。頑張るしかない」

(漕ぎ手 嶋田遥臣さん)
「体力がないので、体力をつけられるよう頑張っていきたい」

(漕ぎ手 吉永海凪さん)
「打倒!三重、野母崎で、頑張ります」

▼大会は7月28日 “誇り” を胸に挑む

大会まで1か月を切ったこの日。

(福田東部チーム)
「きょうはよろしくお願いします」

去年の大会、職域の部で3位に入賞したチームとの「競り」が行われました。

(キャプテン)
「盛り上がって行こうでー」

この日の一番櫂は、ペーロン歴15年の片山省吾さん。そして、男も女も関係ないと意気込む 牧島澪さんが担います。牧島さんも女性ながらペーロン歴は12年のベテランです。