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【病院の働き方改革】患者の “命” を守る現場で「より良い医療の提供」を続けるには《長崎》

2024年4月8日 6:45

▼多忙な医師を補助、患者の状況を細かく把握

「おはようございます」

午前8時。

1日の始まりは、夜間の当直からの「申し送り」です。村上さん以外は全員、医師。

受け入れている患者の状況を確認していきます。

集中治療室=ICUのカンファレンスにも参加した後、病棟に戻り、カルテなどを確認。

看護師ともコミュニケーションをとりながら、入院している患者の情報を集めます。

(診療看護師 村上友悟さん)
「きのうは朝から緊急(患者)が来ていて、当直が対応するから、申し送りもできない状況だった」

(記者)
「きょうはまだ落ち着いていますか?」

(診療看護師 村上友悟さん)
「そうですね」

その後は、通常、医師が行う入院患者の「回診」へ。

部屋を回りながら手術後に必要な処置などを行っていきました。

(診療看護師 村上友悟さん)
「きょうはテレビの取材が来てます」

(患者)
「先生の張り込み?」

(診療看護師 村上友悟さん)
「張り込み?まぁ、そうね」

“先生”と呼ばれるほど、患者からも信頼されています。

(診療看護師 村上友悟さん)
「患者からすれば、自分を診てくれる人がちゃんと診てくれるなら、役職はあまり気にしない。信頼関係が築けるかは、常に(意識している)。患者だけでなく、医療スタッフに対しても気を付けている」

▼「診療看護師」 の導入による変化

手術の件数が多い心臓血管外科。

そのため、医師は日中に回診を行うことは難しかったといいます。

(長崎大学病院 心臓血管外科 三浦 崇教授)
「朝の9時くらいから夕方の3時、4時まで、病棟に医者がいないことが多々あった。村上君がいないと、夕方4時くらいから病棟の仕事が始まるので、勤務が終わるのは午後7時、8時、9時となる。そういう過重労働があったのが是正された」

“診療看護師” の導入によって医師の負担の軽減だけでなく、看護師の残業時間も減少。

入院患者の状態を随時、村上さんが確認し対応することで、入院の日数も短くなっているといいます。

(長崎大学病院 心臓血管外科 三浦 崇教授)
「絶対、医者でないといけない部分ではないところもあるので、そこは(診療看護師に)移行して、本当に医者しかできないところに集中して取り組むことが、本当の働き方改革なのでは」