【病院の働き方改革】患者の “命” を守る現場で「より良い医療の提供」を続けるには《長崎》
▼多忙な医師を補助、患者の状況を細かく把握
「おはようございます」
午前8時。
1日の始まりは、夜間の当直からの「申し送り」です。村上さん以外は全員、医師。
受け入れている患者の状況を確認していきます。
集中治療室=ICUのカンファレンスにも参加した後、病棟に戻り、カルテなどを確認。
看護師ともコミュニケーションをとりながら、入院している患者の情報を集めます。
(診療看護師 村上友悟さん)
「きのうは朝から緊急(患者)が来ていて、当直が対応するから、申し送りもできない状況だった」
(記者)
「きょうはまだ落ち着いていますか?」
(診療看護師 村上友悟さん)
「そうですね」
その後は、通常、医師が行う入院患者の「回診」へ。
部屋を回りながら手術後に必要な処置などを行っていきました。
(診療看護師 村上友悟さん)
「きょうはテレビの取材が来てます」
(患者)
「先生の張り込み?」
(診療看護師 村上友悟さん)
「張り込み?まぁ、そうね」
“先生”と呼ばれるほど、患者からも信頼されています。
(診療看護師 村上友悟さん)
「患者からすれば、自分を診てくれる人がちゃんと診てくれるなら、役職はあまり気にしない。信頼関係が築けるかは、常に(意識している)。患者だけでなく、医療スタッフに対しても気を付けている」
▼「診療看護師」 の導入による変化
手術の件数が多い心臓血管外科。
そのため、医師は日中に回診を行うことは難しかったといいます。
(長崎大学病院 心臓血管外科 三浦 崇教授)
「朝の9時くらいから夕方の3時、4時まで、病棟に医者がいないことが多々あった。村上君がいないと、夕方4時くらいから病棟の仕事が始まるので、勤務が終わるのは午後7時、8時、9時となる。そういう過重労働があったのが是正された」
“診療看護師” の導入によって医師の負担の軽減だけでなく、看護師の残業時間も減少。
入院患者の状態を随時、村上さんが確認し対応することで、入院の日数も短くなっているといいます。
(長崎大学病院 心臓血管外科 三浦 崇教授)
「絶対、医者でないといけない部分ではないところもあるので、そこは(診療看護師に)移行して、本当に医者しかできないところに集中して取り組むことが、本当の働き方改革なのでは」