【病院の働き方改革】患者の “命” を守る現場で「より良い医療の提供」を続けるには《長崎》
医師の働き方改革でカギを握る看護師には、様々な枠組みがつくられています。
その1つが村上さんなどの「診療看護師」。
国が定めている38の「特定行為」をすべて行え、大学院を卒業し、認定試験に合格して資格を得ます。
一方「特定看護師」は、国からの指定を受けた病院で1年間、研修を受ければ特定行為の一部を行うことができます。
長崎大学病院では「特定看護師」向けに17の行為の研修を実施、去年までに25人が修了しました。
(長崎大学病院 特定行為研修室 戸北 正和室長)
「例えば脳神経外科病棟では、喉から入れた管を2回目以降は “特定看護師” が交換している。脳外科の先生も、自分の仕事に集中できて負担軽減になっている」
▼「看護師不足」医療現場の現状
一方で、今後に向けた課題もあります。
コロナ禍などの影響で離職する看護師が増加。
日本看護協会の調査では、2021年度に新卒で採用された看護職員の約1割が(10.3%)、1年以内に離職しました。
同じ方法での調査が始まった2005年以降、最も高い離職率です。
長崎市の「長崎みなとメディカルセンター」でも、看護師らの退職が相次ぎ、現在、受け入れの制限が行われているということです。
こうした中 進められてきた「働き方改革」。
長崎大学病院では、導入した診療看護師や特定看護師に負担が偏らないように、検討も進める考えです。
(長崎大学病院 人事企画担当 大嶽 有史さん)
「(診療・特定看護師らの)負担を、どのように軽減していくかを検討しているところ。看護補助者という職種もあるので、その増員も検討している」
▼医師の「働き方改革」カギを握る看護師
「医師」と「看護師」いずれの立場も担いながら、患者を支えている診療看護師の村上さんは・・・。
(診療看護師 村上友悟さん)
「大学院の時に教えてもらった先生から言われるのは、忙しすぎると忙しい医療職をつくるだけだから、そこはちゃんと考えて働きなさいと言われたので、燃え尽きないように気を付けてやっている。人数が増えれば改善する部分もあると思うが、もっと全体的に待遇面も改善していかないといけないのでは」
患者の “命” を守る現場で「より良い医療の提供」を続けるには・・・。
真の「働き方改革」の実現に向けて模索が続いています。