【医療ヘリ事故】「救出にあたったが体力の限界に…」運航会社の社長謝罪 機体に不具合との見方《長崎》
壱岐市沖で発生し3人が死亡した医療搬送用ヘリコプター事故で、11日、運航会社の社長が取材に応じ、謝罪しました。
社長は事故当時、機体に不具合があったとみていることを明らかにしました。
(エス・ジー・シー佐賀航空 中山 博樹 社長)
「申し訳ございません」
『エス・ジー・シー佐賀航空』の中山博樹社長は、11日午前、今回の事故について謝罪しました。
この事故は6日、壱岐市沖で医療搬送用ヘリが転覆した状態で見つかり、搭乗していた6人のうち、患者ら3人が死亡したものです。
ほかの3人は命に別条はなかったものの、機長と整備士が背中の骨を折る重傷だということです。
中山社長によりますと、機長は事故直前、何らかの原因で機体を着水させるしかないと判断をした上で「フロート」と呼ばれる浮き具を作動させたとしています。
その後、機長らはフロントガラスが割れた機体の前面から脱出し、ヘリの中に残る看護師らの救助を試みたということです。
(エス・ジー・シー佐賀航空 中山 博樹 社長)
「かなり波が強くて2mとか3mの波で(男性機長が)救助にあたったが、看護師を脱出させたあと、体力の限界になった。誠に申し訳ないと言っている」
『エス・ジー・シー佐賀航空』をめぐっては、去年7月に福岡県柳川市で運航していたヘリコプターが墜落し、2人が死亡しています。
(エス・ジー・シー佐賀航空 中山 博樹 社長)
「故意に事故が発生して、しょうがないというようなことは一切やっていない。そうでない何かの不具合による、イレギュラーな発生だと思っている」
『エス・ジー・シー佐賀航空』には11日午前、国の航空事故調査官が再び入り、事故機体などを調べました。現地調査は終了したということです。
今後 調査官は、回収したエンジンの記録装置を東京に持ち帰り、解析することにしています。
一方、この事故を受けて、県は点検のために運航を休止していたドクターヘリを11日から再開する予定でしたが、16日以降に延期することを発表しました。
県のドクターヘリは、事故を起こしたヘリとエンジンを除き同型で「異常は見つかっていないが、安全運航に万全を期すためより詳細な点検を行う」としています。
運航再開までは、県の防災ヘリや自衛隊などと連携を図りながら救急医療体制に支障がないよう対応する方針です。