離婚後「共同親権」課題は?政府が改正案提出見通しも専門家は懸念「丁寧な制度設計必要」《長崎》
(長崎大学 池谷 和子准教授)
「子どもにとって、何が一番いいのかを考えていこうという時に、最低でも大人になるまではどちらとも関わっていくことが必要だし、一緒にいないからお金を払わない、養育費払わないみたいな親もいたりするので、ちゃんと責任を果たすと。こういう意味で、共同親権制度が諸外国でも導入されてきて、その方がいいのだろうと」
一方、NPO法人DV防止ながさきの中田 慶子さんが指摘するのは。
(DV防止ながさき 中田 慶子さん)
「今でも、とても(虐待や暴力を)裁判所で認めてもらうのは大変。ものすごくハードルがある。きちんとそういう大変な状況を、誰がどうやってわかってくれるのか、ものすごく不安がある」
長崎市では、2017年1月に調停の結果、面会交流を命じられた母親が、子どもを別居中の父親に会わせに行ったところ、刺殺される事件も発生。
(DV防止ながさき 中田 慶子さん)
「裁判所は決めるけど、安全に会わせる場をつくるとか、第三者機関を充実させるとか全然ない。そういう状態で、これから共同親権を進めていって大丈夫なのか。もう少しゆっくりと丁寧な制度設計をしてほしい」
特に、DVや虐待などがある場合は「慎重な議論が必要だ」と話しています。
共同親権についてどう思うか、街の声は。
(市民)
「(共同親権を選べる)方が、子どもにとって将来的にいい方向に行くのではないかと思う」
(市民)
「いい方にはいいのかもしれないが、やはり別れるとなると何からの理由がある。そこは難しいのかなという感じはする」