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“普賢岳のホームドクター”と呼ばれた学者 太田一也さん(90) 死去 観測や研究で中心的役割《長崎》

2025年1月16日 21:10

(太田一也さん)
「自然災害が発生した場合に、まず自分の命を守るためにどうするか。そういうことを、過去に起きた地震被害を記録に残しておこうと。その成果が『雲仙火山』という本」

当時、島原市職員で太田さんとともに災害対応にあたっていた一人、杉本 伸一さんは噴火災害の記憶をこれからも次世代に伝え続けます。

(雲仙岳災害記念館 杉本伸一 館長)
「“知識” と“意識” は違う。知識はいくらあっても、意識がないとだめ。それはまさしく防災意識というものだろう。それが心に残っている。そういう思いを、ちゃんと引き継いで伝えていく。それが役目」

火山と向き合い、一人ひとりが命を守る行動を考えることが大切と訴え続けてきた太田さん。

15日、入院先の島原市の病院で亡くなりました。90歳でした。

(太田 一也さん)
「個人は個人、行政は行政。
それぞれどうすればいいのかということを、考えることが大事だと思う。
それは自分の命を守るため、地域社会を守るためだから」

太田さんの告別式は17日、島原市で営まれます。

喪主を務める長男の祥紀さんによりますと、太田さんは “教訓を後世に伝えていきたい” という思いで書いた本を去年、出版することができて「自分がやることはすべて終わった。もうこれ以上のことはない」と話していたということです。

最終更新日:2025年1月16日 22:26