相互理解と地域との交流の拠点へ “イスラム教徒の心の拠り所” 礼拝堂「モスク」長崎に誕生《長崎》
アハメドさんも、授業の合間の礼拝も欠かしません。
(アハメド・ジュナエド・ウッデインさん)
「特に夕方の会議になると、4回目の礼拝が厳しくなる時間も出てくる。重要な審議とかがなければ、先生たちに “お祈りしてきます”と言ったら、どうぞと言ってくれている」
普段の礼拝は自宅や職場などで行っていますが、イスラム教の休日である金曜日は、本来はモスクに集まり、集団で礼拝するのが慣例です。
モスクの完成前、アハメドさんは地域の公民館などを借りていたそうです。しかし、広さの問題から人数に制限をかけざるを得ない時もありました。
ムスリムにとって ”当たり前の日常” をつくりたい。
アハメドさんは4年前から物件を探しを始めましたが、宗教的な理解を得られず、なかなか契約には至りませんでした。
(アハメド・ジュナエド・ウッデインさん)
「お祈り場所をみんながどう思っているか、説明するのが大変だった。不動産業者を通じて話すと、そんな大勢の人が来るなら私たち売れないよと言うこともあった」
店田名誉教授によりますと、日本には133のモスクがありますが、中には建設を巡り、地域住民による反対運動が起きた場所もあったと言います。
(早稲田大学 店田 廣文名誉教授)
「福岡のモスクは建築の計画が始まって、反対する声も地域住民からあったと聞いた。ただ礼拝の様子を見てもらったり話し合いを続けることで、福岡モスクは最終的にできあがった」
アハメドさんも、ビルのオーナーに “ムスリムにとってモスクの意味”や、“礼拝の重要性”などを丁寧に伝え、理解も得られたことで、無事に契約できたといいます。
そして完成した「モスク」。
ムスリムにとって、仲間とのきずなを深められる場所でもあります。
いわば ”心の拠り所” なのです。
▼モスクを「食」や「文化」の “交流の場” に
4月10日は断食月、ラマダン明けの大祭の日。ムスリムにとっては、2大祝祭の1つで、特別な1日で、礼拝の後はともに食事を楽しみます。
(アハメド・ジュナエド・ウッデインさん)
「どうぞ、食べてみて。おいしいかどうかわからないけど」