生後1年の生存率は1割「18トリソミー」“意味あって授かった命”と生きる家族の覚悟と奇跡《長崎》
食事は、ほとんどが胃に直接投与する「胃ろう」で行います。
栄養剤やミキサー食、てんかんの薬なども、自宅では1日10回ほど、家族が与えています。
着替えを担当するのは、父 雄一さん。
ここでも細かい気配りが…
( 父 雄一さん)
「肩とかが外れやすい。その辺が外れないように。可動範囲を意識しながらやっている」
出口さん一家には、“ルール” があります。
(母 光都子さん)
「食べたら、自分の分は自分で洗う。数人分の洗い物も、結構な時間をとるけど、こうやって一人分だとちょこっとなので。このスタイル」
同居する祖父母も、できることは自分たちでやります。
前7時、学校の時間です。
県の「就学奨励費」を使って、福祉タクシーで通学する大空くん。
学校まで片道1時間、光都子さんも付き添います。
去年6月から、看護師が代わりに同乗する「通学支援」が始まったものの、週に1、2回に限られ、十分なサポートとは言えないのが現状です。
それでも “通学” にこだわったのは、たくさんの人と触れ合ってほしいという思いがあったから。
(母 光都子さん)
「きょうも楽しんでね。いってらっしゃい」
学校に通い始めて、“笑顔” が増えたと言います。
クラスには、先生のほかに “看護師”も。
血中酸素濃度や心拍など、大空くんの異変にすぐ対応できるよう、備えます。
毎日行われる授業の一つが「自立活動」。
自分の力で体を動かすことが、ひとつの目的です。
大空くん、寝返りが少しできるようになりました。
動くたびに、心拍数などをチェックして続けるかを判断します。
(先生)
「ちょっと今頑張りすぎて、息が上がっちゃった。大丈夫」
呼吸を整えて、もう一度。自分の力で座り続ける練習です。
(先生)
「いいよ、すごい」