【特集】泳げないカバと飼育員の愛情物語 日本初の人工哺育で育ったカバのモモ30歳に《長崎》
(伊藤雅男さん)
「あまり長かったので、死んでないかなって。悪いほう、悪いほうに考えちゃうから」
伊藤さんの思いにモモが答えたのか、生まれたカバは女の子。
「ゆめ」と名付けられました。
▼立派な母カバ「モモ」 子どもたちも全国各地で活躍
その後もモモは、元気な子を次々と出産。
2009年に生まれた龍馬は、鹿児島の平川動物園に引き取られ、人気者に。
モモが17歳の時に生んだのが、甘えん坊でやんちゃな男の子、百吉です。
1歳になる頃、北海道の旭山動物園へ旅立ちました。
百吉には、"凪子”という子どもが生まれ、モモはついにおばあちゃんに。
幸せ続きのモモでしたが、最愛の夫 ムーが急死したあとはさみしそうにしていました。
▼いくつになっても モモはバイオパークの人気者
そんなモモのためにと、伊藤さん。
新たなお婿さん探しをはじめます。
選んだのは、神戸の王子動物園にいた出目太くん。18歳も年下です。
二人の間には息子テトが誕生。
人工哺育で育てられ、泳ぐこともできなかったモモですが、5頭の子を産み、立派な母カバになりました。
長崎バイオパークには「モモ」の姿を一目見ようと、今も全国から多くの人が訪れています。
さらに公式YouTubeに公開された「モモの家族」がスイカを食べる動画は、世界中の人に注目され、再生回数は、なんと1億回を超えました。
今年3月6日で30歳、人に例えると還暦を迎えたモモ。
バイオパークのアイドルは、これからも伊藤さんに支えられながら、みんなの笑顔をつくり続けます。