1日限定のカフェは「注文に時間がかかります」“吃音”のある若者が接客の夢に挑戦《長崎》
▼目標は「明るく接客」 スタッフ全員 “吃音者”のカフェ
カフェの開催を前に、辻さんは諫早市の実家に帰省しました。
中学校教諭の父 伴幸さんも吃音があり、同じ悩みを抱える息子を見守ってきました。
(父 伴幸さん)
「特にアドバイス的なものをしたっていうのはなくて、ただ、あまり自分が考えているほど、周りは変に思ってないよと伝えた」
待ちに待ったカフェ開催の日。開店を前に、一緒に接客する2人と初めて対面しました。
高校生と大学生がスタッフの3人のカフェ。
(辻 勇夢さん)
「明るく笑顔で接客します。最後まで聞いてくれるとうれしいですと書きました」
(松枝 明さん)
「たくさんしゃべれると思うと、すごい楽しみにしている」
(山田 彩仁榎さん)
「緊張と不安でいっぱいだけど、せっかくの機会なので、楽しめたらいいなと思う」
▼吃音者には “ゆったりと”接して 「大丈夫」など言葉かけはかえって緊張
『注文に時間がかかるカフェ』の開催は、今回で全国24か所目。
東京の奥村 安莉沙さんが3年前に吃音でも接客したいという夢を実現しようとスタートし、以来、各地で同じ悩みを持つ若者たちをサポートしてきました。
(奥村 安莉沙さん)
「吃音は、まだまだ認知も理解も十分ではないので、私たちの接客を通して、吃音について知ってもらえたらうれしい」
(辻 勇夢さん)
「緊張すると思うが、明るく笑顔で接客頑張りましょう」
準備が整い、いよいよ開店。外に出て、客を出迎えます。
(辻 勇夢さん)
「こちらが、カフェですので、案内しますので」
少し緊張した様子の辻さんたち。満席の店内を回り、さっそく接客に臨みます。諫早市から家族もかけつけてくれました。
(辻 勇夢さん)
「(メニューを決めたら) 私の方に、お知らせをしていただけたらと思います」
(父 伴幸さん)
「似合ってるね。恰好が」
(母)
「注文を取りに行かなきゃいけないから」
来店客の中には、吃音のある子どもたちと家族の姿も。