「あきらめた日常生活をもう一度」難病乗り越え介護の道へ 半日型デイサービス理学療法士が開設《長崎》
背骨が左右に曲がる “脊柱側弯症”。
症状を進行させないため、高校卒業まで装具を身に着けて過ごしました。
大学へ進学したあとは。
(理学療法士 浦川春樹さん)
「装具を解放した18歳以降になると、座るのが苦痛で30分も座れなかった。立つと大丈夫だけど、座って講義を連続で受けることが難しくなった」
痛みが続き、4年生で中退。
その後、配送業や営業など職を転々としますが、27歳の時に転機が訪れます。
(理学療法士 浦川春樹さん)
「お風呂上りにふとした簡単なストレッチをやると、痛みがふっととれた気がして。もしかしたら身体を動かすことで痛みがとれるなら、そんな職業はないと思ったのがきっかけ」
長崎市の専門学校に通い、32歳で理学療法士に。
自身も経験した側弯症のセラピストの資格も取得しました。
しかし、諫早市のデイサービスで働いていた2020年。
(理学療法士 浦川春樹さん)
「朝起きると寝違いの100倍の痛さ。左手もあまり動かなくて、全身にしびれもあって、触った感覚があまりなかった」
国指定の難病 “脊髄空洞症”と診断され、2か月後に8時間におよぶ手術を受けました。
(理学療法士 浦川春樹さん)
「当たり前のようにできることができなかった。どん底まで突き落とされた経験は、今後の糧となると自分に言い聞かせた。リハビリに携わった皆さん、もちろん同じように辛い経験をしているだろうなと、深いところが共感できるようになった」
(理学療法士 浦川春樹さん)
「寄り添いながら、困った方を一人でも多く救ってあげたいというか、助けてあげたいというのが、自分が独立した1番のきっかけ」
▼すべての人が「誇り」「生きがい」を持てる社会を
家に帰ると、2児の父親でもある浦川さん。
子どもたちとのコミュニケーションは欠かしません。
(浦川さんの長男)
「おしごとがんばってね」
(理学療法士 浦川春樹さん)
「日々の頑張れる糧。仕事の疲れも吹っ飛ぶ」