観光客にも住民にも配慮した「持続可能な観光都市へ」オーバーツーリズムへの備えとは?《長崎》
国の内外から多くの観光客が訪れる長崎。
一方で、地域に悪影響を及ぼす「オーバーツーリズム」への備えが始まっています。
持続可能な観光都市を支える企業の取り組みです。
大型連休を迎え、多くの観光客でにぎわう長崎。
かつて新型コロナウイルスの影響で閑散としていたまちにも、活気が戻ってきました。
(土産店)
「30倍ほどになっている。全然お客さんがいない坂もみているし、観光客が増えているのは間違いない。実感もある」
(土産店)
「中国のクルーズ船がたくさん来ている。欧州や欧米、他のアジアの国も多くなってきている」
観光統計によりますと、おととし、長崎市を訪れた人は約532万人。
新型コロナウイルス流行以前の、2017年~2019年と同水準に回復しました。
さらに長崎港へのクルーズ船の寄港数も157回を数え、全国3位にランクイン。
大型客船によるインバウンド需要が急速に回復しています。
こうした動きに対し、長崎国際観光コンベンション協会は…。
(事業本部 誘客受入チーム 吉冨 章 課長)
「イベント時やクルーズ船が来航する時、短期的、局地的に人が多く来ている状況は発生している。それ自体は非常に喜ばしいこと」
特定の観光地に人が集中しすぎることで、地域の環境や住民生活に悪影響を及ぼす「オーバーツーリズム」。
長崎ではまだ深刻化していませんが、観光客の急増による交通渋滞や住環境への影響を、未然に防ぐ対策が進められています。
(事業本部 誘客受入チーム 吉冨 章 課長)
「クルーズ船が来航したときの例でいうと、2000人のお客様が来るケースもある。混雑があらかじめ予想される場所には、警備員の配置を行って渋滞混雑の緩和に努めている」
観光の経済効果をいかしながら、地域住民の暮らしや環境へ配慮する “持続可能な観光地づくり” に向けた取り組みも進んでいます。
(事業本部 誘客受入チーム 吉冨 章 課長)
「"長崎市版サステナブルツーリズム" と掲げ、歴史や文化に基づく地域の資源を付加価値を高めて、訪問していただく方に提供していく。文化が継承されて、長崎市の観光が持続的に持っていけると思っている」