【被爆80年】実力派の芸人が「前代未聞の原爆ネタ漫才」 想像してみることの大切さ伝える《長崎》
長与町での舞台を主催したのは、2人の主婦です。
去年 初めて『原爆漫才』を見たふたりは、翌年も長崎の人たちにこの漫才を観てほしいと思ったそうです。
イベント開催の経験などはありませんでしたが、自治体の協力を取り付けるなど奔走して、なんとか実現にこぎつけました。
(毎熊 美香さん)
「ちゃんと被爆者の人たちに(会うために)北海道から来て、話を聞いて学ぶ姿はすごいなと思った。だからこの公演を長崎でたった2回で終わらせたくないというのがあった。すごいエネルギーを使ってできた舞台だと思うから」
アップダウンは、2019年から「戦争」や「民族」をテーマにした二人芝居を制作。
鹿児島の知覧を訪れ、特攻隊についての学びを重ねて制作した「桜の下で君と」。
幕末の探検家とアイヌ民族の長老との友情を描いた音楽劇「カイ」など、全国各地で公演しています。
この日も…。
(アップダウン 竹森 巧さん)
「北海道であって、きのう大分で 特攻隊の二人芝居の上映会に行って、きょうは原爆の伝承漫才」
(アップダウン 阿部 浩貴さん)
「全国各地でやっているけれど、長崎でやる時はちょっと。やりながらすごく感じるところもある」
長崎原爆の漫才も、被爆者と面会し、話を聞くことから始めたそうです。
そして被爆医師 永井隆博士の著作を基にして作り上げました。
制作期間は1年。
完成後は長崎のほか、北海道や東京、福岡などでも披露してきました。
この日の会場は長崎市のとなり、長与町。到着した2人がすぐに向かった先は、舞台でした。
演出や劇中の音楽も、自ら手掛けているんです。
(アップダウン 竹森 巧さん)
「お辞儀の時に音をちょっとだけ、音をあげてもらってもいいですか。
もうちょっと早めにこの明るい希望の光がこう、わーっと」
この漫才を通して彼らが伝えたいのは、当時の人たちが経験したこと。
笑いを織り交ぜるのは、知らなければならない事実を若い世代にしっかり伝えるため。
それが、悲劇の歴史と真剣に向き合った 二人の答えです。