×

【被爆80年】実力派の芸人が「前代未聞の原爆ネタ漫才」 想像してみることの大切さ伝える《長崎》

2025年6月7日 6:45

◆「子どもたちに見てほしい」主婦の奔走で公演が実現 


長与町での舞台を主催したのは、2人の主婦です。

去年 初めて『原爆漫才』を見たふたりは、翌年も長崎の人たちにこの漫才を観てほしいと思ったそうです。

イベント開催の経験などはありませんでしたが、自治体の協力を取り付けるなど奔走して、なんとか実現にこぎつけました。


(毎熊 美香さん)
「ちゃんと被爆者の人たちに(会うために)北海道から来て、話を聞いて学ぶ姿はすごいなと思った。だからこの公演を長崎でたった2回で終わらせたくないというのがあった。すごいエネルギーを使ってできた舞台だと思うから」


アップダウンは、2019年から「戦争」や「民族」をテーマにした二人芝居を制作。

鹿児島の知覧を訪れ、特攻隊についての学びを重ねて制作した「桜の下で君と」。


幕末の探検家とアイヌ民族の長老との友情を描いた音楽劇「カイ」など、全国各地で公演しています。

この日も…。


(アップダウン 竹森 巧さん)
「北海道であって、きのう大分で 特攻隊の二人芝居の上映会に行って、きょうは原爆の伝承漫才」

(アップダウン 阿部 浩貴さん)
「全国各地でやっているけれど、長崎でやる時はちょっと。やりながらすごく感じるところもある」

◆“当時の日常を知り笑って、原爆の悲劇を感じ涙する” 漫才


長崎原爆の漫才も、被爆者と面会し、話を聞くことから始めたそうです。
そして被爆医師 永井隆博士の著作を基にして作り上げました。

制作期間は1年。

完成後は長崎のほか、北海道や東京、福岡などでも披露してきました。

この日の会場は長崎市のとなり、長与町。到着した2人がすぐに向かった先は、舞台でした。

演出や劇中の音楽も、自ら手掛けているんです。

(アップダウン 竹森 巧さん)
「お辞儀の時に音をちょっとだけ、音をあげてもらってもいいですか。
もうちょっと早めにこの明るい希望の光がこう、わーっと」

この漫才を通して彼らが伝えたいのは、当時の人たちが経験したこと。

笑いを織り交ぜるのは、知らなければならない事実を若い世代にしっかり伝えるため。

それが、悲劇の歴史と真剣に向き合った 二人の答えです。