藤井貴彦アナ 生出演「長崎とサッカー・14年間のキャスター人生・災害・戦争平和教育」への思い《長崎》
(藤井アナ)
でも来るところには来るんです、災害は。来ないと思っているところにこそ来るんです。
ですから、私たちが伝えたいのは「忘れないでくれ」ということが一つと「忘れないでくれ」の前に「来るかもしれないから、3つ先の準備しておいて」ということなんですよね。
これがお伝えできたら、私たち報道機関の仕事というのは、80%は終わってるんじゃないかと思ってます。
(佐藤アナ)
every.を卒業し、今週はちょっとした充電期間ですが、4月1日からは・・・
(藤井アナ)
既に気持ちを切り替えて、news zero色のネクタイになっております。
(佐藤アナ)
news zeroといえば戦争企画。長崎というのは、広島と同じ被爆地で、NIBでも「news zero」とともに、戦争のことや平和のことについて取り組んで、ずっと継続してお伝えしているんですが、この戦争平和についての報道は、藤井さんはどうお考えですか。
(藤井アナ)
まさに災害報道と同じで、「忘れないでください」ということが一番大切なんですが、それこそ戦後70年以上たってしまうと「忘れないでください」より「知らない」人が多いんです。
だからこそ、語り継ぐことが必要なんですけれども、知らない人が増えていくと「あれ、これちょっとあの時と似てるぞ。だから気をつけろよ」って言ってあげる人が誰もいなくなる。
だから、戦争あって何十年かは絶対に平和が一番大切なんだということを皆さん胸に刻んでいるんですよ。けれど今は刻んでいない。それは仕方ないですよね。生まれる前のことですから。
そういう皆さんが増えてくると「よっしゃ、こんな嫌なことを言うんだったらやってやるぜ」っていうような気持ちになってくる人たちが増えてしまったら、それは戦争へ一歩足を踏み出したということと、ほぼイコールなんです。
だからこそ、微力かもしれませんけれども、戦争はいけないんだ。原爆なんて落としちゃいけないんだ。これ、全部市民が犠牲になるんだということを、ちょっとでも伝え続けることが大切なんじゃないか。
(佐藤アナ)
”微力”という話がありましたけども、長崎の高校生平和大使などの言葉をかりますと、「微力だけども無力ではない」という。
(藤井アナ)
いい言葉ですね。
(佐藤アナ)
私たちも胸に刻みながら、この”報道”に携わっていかないといけないという気持ちも、また新たにしたところです。