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子どもの健やかな成長を願う「武者のぼり」日本の伝統と明治時代から続く技術を親子で未来へ《長崎》

2025年4月13日 7:00
子どもの健やかな成長を願う「武者のぼり」日本の伝統と明治時代から続く技術を親子で未来へ《長崎》

“元気に健やかに育ってほしい” という願いが込められた端午の節句の『武者のぼり』。

佐世保市の老舗工場は、伝統技術とデジタル手法を組み合わせ、新たな形で伝え残しています。

勇壮で、色鮮やか。

勇ましい武将が描かれた『武者のぼり』。

子どもの健やかな成長を願う、端午の節句ののぼりです。

大きなものは、約7.5メートル。

見ているだけで元気や勇気が湧いてくる、圧巻の迫力です。

(川口家染工場4代目 川口直一郎 社長)
「武者のぼりは、全て手作業。
子どもの健やかな成長と、ご家族が仲良く過ごしていけるよう思っている」

制作しているのは、佐世保市相浦町にある「川口家 染工場」。

染め物を手掛ける会社です。

天下統一を成し遂げた、戦国武将 豊臣秀吉。

戦国大名 武田信玄と上杉謙信の姿が描かれた “川中島の合戦”。


絵柄は、約20種類です。

(妻 克美さん)
「お客様の主観で選んで頂いて、好きな絵柄、好きな長さを選んで頂ける」

手掛けるのは、武者のぼりだけではありません。

店の入り口を飾る「のれん」やチームを鼓舞する「横断幕」。

ノベルティーグッズなど、要望に合わせて様々な染め物を制作しています。

◆明治時代から続く伝統技術と心意気

川口家染工場は、1902年(明治35年)に、初代・直太郎さんが創業し、今年で123年目。

製造する武者のぼりは、明治・大正・昭和・平成・令和と、5つの時代にわたって愛されてきました。

(4代目 川口直一郎 社長)
「一番最初の段階、のり置き。上からのりを置いて型を作る」

のりは、石灰とぬか、餅粉を混ぜたもの。

隣の色が混ざらないよう、境目の壁の役割を果たすそうです。

(4代目 川口直一郎 社長)
「のりが染料の侵入を防ぎますので、のりがついているところは白になる。染料が入りません」


型紙を外すと、のりが立体的に浮き上がっていました。

次は「染め付け」。生地の絵柄に、顔料で色付けします。