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投票率は前回よりアップ対馬市長選 核ごみ処分場反対の現職が圧勝 住民投票求める動きも《長崎》

2024年3月4日 21:36

(荒巻 靖彦氏)
「NUMOは、対馬ではもう無理だということがこれで100%わかった。もし今回敗れても、4年後必ず日本はこの対馬に誘致できると踏んでやったが、この得票数ではいけない」

投票率は64.5%で、4年前の前回を1.27ポイント上回りました。

対馬市長選挙を取材した梅田記者の報告です。

今回の市長選では、核ごみの最終処分場誘致に再び「反対」の民意が示される形となりました。

今回の結果は、誘致推進派の中でも受け止めが割れています。

「今回で誘致の話はおしまい」と文献調査を断念する声があがる一方、一部の市議は「市長選は人を選ぶ選挙なので、今回の結果とは切り離して住民投票で賛否を問うべき」と話しています。取材を進める中「普段は投票に行かないが、今回は核ごみを持ってこられたら嫌なので投票に来た」という若者の声が印象的でした。

これは数字にも表れていて、投票率は64.5%と4年前の前回を1.27ポイント上回りました。

また、敗れた荒巻氏は処分場の誘致により人口や仕事が増えると訴えていたわけですが、今回、取材をしていて人口減少という島の課題が深刻だと感じました。

投票率は上がっているにも関わらず、有効票数は700票近く減っていてこの4年でも人口減少が進んでいることが分かります。

今回の選挙について対馬市の市民にも話を聞きました。

(記者)
「今回の市長選の盛り上がりはどう感じた?」

(60代女性)
「いまいちじゃなかったですか。初めから対馬の人を応援したいというだけのこと」

(80代男性)
「(人口減少は)感じる。空き家が多い。子どもが少なくなっているから末期的症状。子供が増えないとだめ」

核のごみの最終処分場の誘致には頼らない方向にかじを切った比田勝市長。

ただ、人口減少が進む島で、今後も、議論が続く可能性を残しています。