住宅リフォーム需要「増」なのに…大工の数「減」 “なり手不足” が深刻化 技術の伝承も急務《長崎》
石橋工務店では 若手の希望者を毎年募り、“社員” として大工を育成。
そのノウハウをいかし、2020年にはドイツから若手の職人を受け入れ、修復の技を教えました。
その後もドイツから修行に訪れる若者が続き、会社にとっても大きな刺激となっています。
(石橋工務店 石橋光成 社長)
「社員大工を大事しながら、毎年(人材を)確保しながらということで」
技術の伝承というのは なかなか今の時代は難しいが、
日本には素晴らしい “建築技術” があるので、(ドイツから来る人にも)少しでも知ってほしい」
求められる大工が、働きやすい環境。
住宅のリフォーム商品を全国で展開する「住友不動産」では…。
(住友不動産長崎・佐賀営業所 松崎紀丈 統括所長)
「どうしても高齢化していくと、身体に衰えが出てきて重たいものを持ちにくくなったり、危険な作業をしづらくなったりするので、若返りしないといけないと感じている」
大工を確保するため、以前から導入しているのが『専属棟梁制』です。
大工は従来、個人で仕事を請け負うことがほとんどでしたが、受注がない期間は収入がなくなるという不安も。
住友不動産と専属で契約することで、会社が受注した仕事が切れ目なく発注されるため、大工側も安定した収入を得ることができます。
住友不動産から高い評価を受けた「専属棟梁」は、全国に480人あまりいて、専門的な技術が求められる業界でその品質を支えています。
(住友不動産長崎・佐賀営業所 松崎紀丈 統括所長)
「通常は棟梁や大工が自分で受ける時に、依頼があったらそこに出向いて確認して、それから見積り作ってという形で時間がとられる。
その間は仕事ができないので、その分を当社が受注をしっかりとってきて、棟梁には現場で仕事をしっかりしてもらう」
3年前から「専属棟梁」として働く大村市の立石 龍太さん。
この日、リフォーム工事の現場のある福岡県に向かうため、早朝に自宅を出発しました。
リフォームは もとの設計を把握した上で必要な補強を検討するため、新築住宅の工事より、大工の腕が問われるといいます。
(大工 立石 龍太さん)
「新築みたいにまっすぐ柱が立っていなかったり、床が少し下がり気味になっていたりするのを調整していくのが一番難しい」
建築から30年の大川市のこの住宅では、押し入れの左右で奥行きが異なるなど、建物に “ズレ” が生じていました。
(大工 立石 龍太さん)
「(奥行きが)2センチくらい違う。壁がまっすぐならいいけど少し斜めになっているのでそういうところを調整している」