悲しみ乗り越え再生の道へ「イルカが長く幸せに暮らせる場所へ」壱岐島のイルカパーク《長崎》
去年、4頭のイルカのうち、3頭が死にました。
目玉のふれあいのプログラムもできなくなり、トレーナーたちのほとんどが施設を後にしました。
(壱岐イルカパーク&リゾート 高田 佳岳代表)
「本当に辛くて。それを諦めるのは簡単だけど、ここで僕が諦めたらイルカがずっと消耗品のように扱われていってしまう。それだけは自分が関わった以上は嫌なので、今いる4頭が、本当に20年30年生きるためには何ができるかということを、ここで踏ん張って僕がやらないと」
去年10月、新たに3頭のイルカを迎えたパーク。
高田さんは “再生” を誓いました。
まず取り組んだのはイルカたちが住む環境の整備です。
(壱岐イルカパーク&リゾート 高田 佳岳代表)
「でっぱり。あのコンクリートのところで水が止まってしまう」
この入江は袋状で入り口が狭く、海水の循環が悪くなっている可能性もあるとして、流れを改善するポンプを設置。
(壱岐イルカパーク&リゾート 高田 佳岳代表)
「水質や海底も全部調べたが、それらしい悪いものが出てこなかった。できることをとにかく全てやっていかないと」
イルカのエサにもこだわります。
トレーナーたちの朝一番の作業は、魚の選別からスタート。
できるだけ県産の魚を。
そして、水揚げからすぐに冷凍された魚を、一匹一匹入念にチェックして与えます。
(トレーナー村上 結香さん)
「何かあった時に元々体調が悪かったのか、食べ物で悪くなったのか、環境で悪くなったのか分からなくなる。ちょっとでも、食べ物の部分で原因を排除できるように」
去年4月に入社したトレーナーの村上 結香さん 27歳。
元々、栄養士として保育園で働いていましたが、一念発起し、去年イルカパークに。
その直後に、イルカとの別れを経験しました。
(トレーナー村上 結香さん)
「どうしてもこの業界にいて動物に関わるという仕事をしていく上では、いつかは絶対来る時。1年目からそういう経験をさせてもらったのは、これから長く続けていく上で良かったと思うけれど、希望としてはそういう姿はみたくない。自分がどうしていったらそういうことが起きないか考えるきっかけになった」