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悲しみ乗り越え再生の道へ「イルカが長く幸せに暮らせる場所へ」壱岐島のイルカパーク《長崎》

2024年2月16日 12:00

▼イルカたちの“小さなSOS”を全員で把握することが重要

(トレーナー村上 結香さん)
「この子がビビです。男の子のパル、こっちがティダ」

新たに仲間入りした3頭は、採血や体温チェックなど健康管理のためのトレーニング=ハズバンダリートレーニングの真っ最中。

トレーナー歴20年を超えるベテラン、林 菜穂子さんが担当しています。

(トレーナー 林 菜穂子さん)
「これが血管です。ここに針を刺して血を採る、その体制の練習中ですね。今ちょっと頭が下がっている。だからOKじゃない。(イルカが)嫌だよ!となったら、無理やり押さえつけたりしないで、離してあげる」

イルカの意思を尊重し、コミュニケーションをとりながら少しずつできることを増やしています。

こうした1日5回から6回のトレーニングの中で、食欲はあるか、体に異常がないかなどをチェックしていきます。

推定14歳のメス「ビビ」は・・・。

(トレーナー村上 結香さん)
「胸ビレの治っていたところが、またこすって、ちょっと血が出てきている」

すぐに写真を撮り、獣医やほかのトレーナーに報告。

1日の最後には、それぞれのイルカの状態や気になることなどを、日誌に記入することも欠かしません。

イルカたちの“小さなSOS”を全員で把握しておくこと。

これまでの悲しい経験からの “教訓” です。

(トレーナー 林 菜穂子さん)
「ちょっと問題だったのが、(気づきを)紙で書いてあったりなかったりしている。記録として残しておきたいものが、例えばあずき(というイルカ)の口内の傷だと、ずっと前からあるが、いつから大きくなっているかが今わからない状態。それがないようにしたい」

▼イルカも人も「幸せ」と思える場所に

新たなイルカを迎えて、3か月。

月に1回は、現状や今後の方針をスタッフ全員で確認し合うことも大切にしています。

(壱岐イルカパーク&リゾート 高田 佳岳代表)
「入り江に出すか出さないか。あったかくなってからが安心」

目指すのは、イルカにとってもスタッフにとっても「幸せで長くいたい」と思える場所。

(壱岐イルカパーク&リゾート 高田 佳岳代表)
「住んでいるところって一番重要。そこと一緒に住んでいる僕たちが彼らとどういう付き合い方ができるかは人間と同じ。環境とそこで働く一緒に住む仲間との関係性が一番大事だと思う。そこをしっかりくみ上げたい」

2024年、イルカパーク再スタートの1年です。

最終更新日:2025年2月20日 13:36