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【特集】「民藝」とは? 普段使いのアイテムに少しこだわって生活を豊かに… 街の新たなにぎわいづくりに民藝を活用 鳥取県鳥取市

2024年5月18日 7:32

毎年秋に期間限定で公開しているこの吉田医院も、将来的には民藝館通りの観光スポットとして常時公開したいということです。

鳥取民藝美術館 木谷 清人 常務理事
「民藝の良さを知っていただくということと、ただ単に器だとかそういったものだけが良いということではなくて、民藝というものの考え方の素晴らしさを感じていただければと思っています」

民藝を活用した街づくりに木谷さんたちと共同で取り組むのが、鳥取駅前商店街で代表理事を務める真嶋さん。この商店街では、コロナ禍で客足が遠のく中、民藝館通りと連携し、民藝をテーマにしたイベント開催などを行ってきました。こうして連携を深める中で、「たくみ珈琲店」の開店が実現し、商店街の活性化へ新たな道が開けました。

新鳥取駅前地区商店街振興組合 真嶋 茂 代表理事
「民藝館通りににぎわいを持たせて、観光客の方、鳥取市民の方、近郊の方に駅前にお集まりいただいて、にぎわいを創出していきたいなというのが元々の発想です」

真嶋さんがにぎわい創出を目指し、新たな取り組みを始めた理由はもう一つあります。

それは、鳥取市が中心市街地の活性化を目指し策定した「2核2軸構想」。鳥取駅と鳥取城跡を2つの核に位置付け、これをつなぐ若桜街道と智頭街道を人が行き交う2つの軸とする構想です。これを実現するために現在進んでいるのが、核の1つJR鳥取駅前の再開発計画です。

公表された基本計画案によりますと、駅北側には向かいの百貨店と直結の空中デッキ(ペデストリアンデッキ)を設置するほか、民間と公共施設の入居する複合施設やキッチンカーなどが出店可能なにぎわい広場を整備します。さらに、駅直結のバスターミナルを東側の高架下に設け、公共交通の利便性も高める計画です。

こうした構想の中で、駅前商店街は駅から中心市街地へと人の流れを作り出す、玄関口の役目を担うことになります。中心市街地の活性化の成否は、この入り口の集客力にかかっているといっても過言ではありません。