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【特集】「民藝」とは? 普段使いのアイテムに少しこだわって生活を豊かに… 街の新たなにぎわいづくりに民藝を活用 鳥取県鳥取市

2024年5月18日 7:32

新鳥取駅前地区商店街振興組合 真嶋 茂 代表理事
「7~8年先には鳥取駅前が大改造になります。駅に人が集まってくるようになると、これを駅だけで終結させてはいけませんので、街中に買い物客が流れていくような、そういうような一つの起点になりたいなと」

最後に、吉田璋也が鳥取に残したものをもう一つ紹介します。現在、鳥取市の観光スポットとなっている鳥取砂丘や仁風閣、鳥取城跡などは、かつて農地の拡大や都市の開発に伴い、消滅の危機にありました。この危機を救ったのが、吉田とその仲間たちが中心となり、多くの市民を巻き込みながら展開した文化財などの保存活動でした。地域一丸となった活動のおかげで、鳥取の貴重な自然や景色がいまもその姿をとどめています。

鳥取民藝美術館 木谷 清人 常務理事
「吉田璋也は究極的にはですね、民藝運動は『美による社会改革運動』だということを言っているんですね。吉田璋也が守ろうとした鳥取の自然だとか景観だとか、改めて見直される時期になってきたと思いますね」

身の回りのものに少しだけこだわって生活を豊かに、そしてその豊かさを社会全体へ。そんな民藝の精神を思いながら、疲弊する地域社会をどう変えていくのか、もう一度考えてみる時期なのかもしれません。

最終更新日:2024年5月18日 7:32