【特集】全国から集まった鳥取の海を愛するタイバーたちによるムラサキウニの駆除&海中清掃を取材! 水温が冷たいこの時期にそれでも潜る彼らの思いとは 鳥取県

5月31日から6月8日までは、日本テレビ系列で地球にいいことを考えていく、「グッド・フォー・ザ・プラネットウィーク」略して「グップラ」です。海藻を食べつくす海の厄介者を駆除するために立ち上がったのは、鳥取の海を愛するダイバーたち。楽しみながら環境をよくする活動を取材しました。
5月10日、鳥取県岩美町の海に飛び込んだダイバーたち。行っていたのは、スキューバダイビング。かと思いきや、ハンマーを片手に、何かを叩いています。よく見てみると…。
叩いていたのは、「ウニ」。これは、「ムラサキウニ」という種類で、大量発生が全国的な問題になっています。ムラサキウニが大量発生すると海藻などを食べつくしてしまい海の中の藻場が失われる「いそ焼け」の状態に。藻場は魚たちがすみかにしたり二酸化炭素を吸収したりする役割があるためいそ焼けが起きると海の豊かさが失われてしまうのです。
そこで立ち上がったのがダイバーたち。実は彼ら…。
ダイバー
「岡山です」「兵庫です」「大阪です」
全員が県外から鳥取へ。ほとんどの人たちが毎年、レジャー目的で鳥取県の海に潜りに来ていると言います。しかし、ダイビングのトップシーズンは7月に入ってから。今は水温が16℃前後と冷たい海ですが、なぜこの時期に潜るのでしょうか?
鳥取県漁業調整課 野々村卓美さん
「実は今の時期が効率がいいんです。ウニの産卵時期がだいたい7月くらいからです。そうするとまた次の世代が生まれてくるということがありますので今はいいタイミングです」
ダイバーたちはムラサキウニの駆除そして、海中清掃をするためさっそく準備。
ダイバー
「生き物たちの生息環境を守れるようにしっかりウニ駆除していきたいと思います」
「私たちの大好きな海を守るために今日は頑張ろうと思います」「ぶっ潰していきたいと思います」
今回は田後と浦富など3つのポイントでウニ駆除そして、清掃活動を行います。
海の中のいたるところにいるムラサキウニ。
岩本泰平 アナウンサー
「若い海藻が生えているところにウニが集まっています5匹ほどいますね」
磯焼けが進む原因となる若い海藻を食べようと集まるウニの姿も…。この日は、視界が悪い中でしたがダイバーたちは順調にウニを駆除していきます。すると…。
岩本泰平 アナウンサー
「海の中に白いナイロン製の袋が漂っています」
他にも、釣り具やビン、ビニール袋など多くのゴミが漂っていました。今回の活動では約50kgのゴミを回収そして、約2000個のムラサキウニを駆除しました。
ダイバー
「ウニもいっぱいいたし、ごみもいっぱいあったし、潜れて楽しめるかつ海もきれいになって一石二鳥だと思いました」
「ダイビングが楽しめるように海の環境を守っていけたらいいなと思いました」
ウニ駆除と清掃を終えてお昼ご飯を食べていると…。
地元漁師
「食べて下さい」
地元の漁師がダイバーたちの活動を聞いて差し入れに訪れ、岩美町で獲れた海の幸をふるまっていました。
剛遊丸 福田剛之 船長
「だんだん魚が減ってきていますので助かります。産卵場所が増えてくればダイバーも魚が寄ってくるところを見られたり僕たちも魚が獲れたりとお互い助け合ってできたらと思います」
海の環境を良くして海のごちそうをいただく。ダイバーにとって幸せな時間となりました。
ウニ駆除と清掃を企画した ブルーライン田後 山崎英治さん
「海藻も生えてくると小魚も居ついてくれて見るものも増えるし、みんなで掃除ができて地元の人にも喜んでもらえたらいいかな。普段僕たちも遊ばせてもらっている海なのでちょっとでも恩返しができたらと思います」
ムラサキウニの駆除は産卵する前の7月までを中心に継続的に企画していくということです。