現職が再選を果たした市長選 一方で投票率の低さが目立つ 政治への関心を持ってもらうための政策や取り組みが必要か 鳥取県・島根県
松江市・米子市ともに現職が再選を果たした今回の市長選。目立ったのはその投票率の低さです。
米子市長選では45.90%と選挙戦となった8年前を0.19ポイント下回りました。一方、松江市長選は52.12%と前回より8ポイント以上も低下し、2005年の合併以降最低だった2017年を5.54ポイント下回って過去最低となりました。
その要因について、地域政治学を専門とする鳥取大学の塩沢教授はー。
鳥取大学地域学部 塩沢健一 教授
「(松江市は合併後)周辺地域も含めて、投票率の低下という状況がどうしても避けられない。現職が盤石で、おおむね当選者が見えている状況の中での選挙ということで、どうしても有権者の関心が高まりにくいということが松江に関してはあった」
松江市長選挙では、現職の上定氏が自民公明の他、国民民主からも推薦を受け、強固な組織を生かし他の候補を引き離す形で選挙戦をすすめたこと。
さらに、争点の一つとなった駅前の再開発についても市民の関心を集める選択肢を候補者が示せていなかったのではと分析しています。
鳥取大学地域学部 塩沢健一 教授
「それぞれの案によって、どこまで費用が掛かるのかというところがまだ十分精査されているとは言えない。市民にとっても、何がどこまで正しい情報なのかというところは十分理解しきれない」
低調な投票率となった今回の両市長選。再選を果たした両市長には市民に政治への関心を持ってもらうための、具体的な政策提示や取り組みが求められています。