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【特集】鳥取砂丘婚活イベントに密着 コンセプトは「デジタルとリアルの融合」 出会いへの一歩を踏み出しやすい仕組みを採用 マッチしなかった人たちにも手厚いフォローで課題を解決の『橋渡し』的な取り組みも  鳥取県

2025年5月31日 8:00
【特集】鳥取砂丘婚活イベントに密着 コンセプトは「デジタルとリアルの融合」 出会いへの一歩を踏み出しやすい仕組みを採用 マッチしなかった人たちにも手厚いフォローで課題を解決の『橋渡し』的な取り組みも  鳥取県

中山紗希 アナウンサー
「さて、「500」。何の数字かご存知ですか?」

これは、鳥取県が目標としている「年間の成立カップル数」です。この背景には出生数の減少、未婚率の上昇、若者の都市部への流出といった鳥取県が抱える課題があります。こうした課題を解決するため、鳥取県では出会いの支援を強化してきました。

その一つが、5月24日に開催された鳥取砂丘でのマッチングイベント。去年に続き2回目の開催となったこのイベントは鳥取県が主体となり東京のマッチングアプリ運営会社とともに企画したものです。参加者の様子に密着しました。

★★★★★★★★

会場アナウンス
「いいねから始まる砂丘の出会い、 スタートしてもいいかな?鳥取砂丘でのマッチングイベント2025スタートです!」

生憎(あいにく)の天気の中、鳥取砂丘に集まった20代から30代の男女105人。約9割が鳥取県在住の人たちです。

参加者
「親に『早めに動いといたほうがいいよ』って言われたので動いてみようと思って参加しました。ドキドキとちょっと不安が混じっている感じ」

「職場だと若い同年代の女性との出会いがなくて、いい機会がないかなと探していてこのイベントがあったので参加しました。なんといってもやはり交際相手を見つけること、その一点」

親のすすめや、自分の意志で…きっかけは様々ですが、参加者が求めるのは「出会い」です。

参加者の一人、おさよさん(仮名)です。

おさよさん
「出会い・・・いや、あんまり出会いがなく・・・私が消極的だったので。自分のこと分かってくれる人が いいかなって思います」

これまでなかなかいい出会いがなかったおさよさん。こう話しながらも、なにやらずっとスマホをいじっています。

Q.今何している?
「いま、オミカレLiveの男性陣を見ていいねしていました」

今回のマッチングイベントのコンセプトは「デジタルとリアルの融合」。運営側でもあるマッチングアプリ会社のアプリ「オミカレLive」を使いながら交流していきます。

アプリには参加者のプロフィールが載っていて、気になる相手には「いいね」を送りアプローチをすることができるんです。こうしたデジタルの活用が若者にとっては、出会いへの一歩を踏み出しやすい仕組みとなっているといいます。

おさよさん
「直接あったら喋れないかもしれないんですけど、アプリを使ってのいいねぐらいだったらまだいいかなという感じがある」

まずは自己紹介からスタート。20秒という限られた時間の中でおさよさんも自らをPRします。

おさよさん
「めっちゃ難しいです。全然(相手を)覚えられないです」

その後のレクリエーションでは、「大人の運動会」をテーマに借り人競争を開催。

「バイクを持っている方~、いない、いない・・・」

苦戦したおさよさんでしたが、無事にテーマにあった異性を探すことができました。このレクリエーションでは相合傘でのゴールが必須。

さらにお題についてのフリートークもルールとして設定され、必然的に異性と距離を縮める仕掛けがちりばめられているのです。

おさよさん
「今はもう緊張がとけました」

緊張がほぐれたあとは、マッチングチャンスです。気になる相手を絞ってアプリからいいねを送り、相手からもいいねが返ってくるとマッチングが成立します。

そして、フリータイムでデートができるという流れです。

おさよさん
「え、どの人に・・どの人がいいんだろ・・・え、 どう思います?(笑)」

おさよさんとマッチしたのは・・・

おさよさん
「こんにちは、いいねありがとうございます」

同じ30代のヤスオさん(仮名)です。

おさよさん
「やった~!」
ヤスオさん
「砂プリンは食べたことあるの?ああ、ないって言ってましたね」
おさよさん
「そうです。そうです。なんか、みんなからめっちゃおいしいよって話は聞いてたんですけど」

こう話しながら向かったのは鳥取砂丘の人気スイーツ「砂プリン」の提供場所。

今回参加者全員にプリンの引き換え券が配布されていたのです。

こうしたお楽しみ要素を取り入れることで参加者のモチベーションを上げるだけでなく会話のきっかけにもつながっていきます。

ヤ「いただきます」
お「う~ん!」
ヤ「おいしい」
お「めっちゃ美味しいです」
ヤ「どうぞどうぞ(互いのプリン交換)」
お「めっちゃおいしい!私ラム酒めっちゃ好きなんですよ。」
ヤ「普段プリンとかは食べます?」
お「甘いものがめっちゃ好きで週に1回は食べますね」

その後はそれぞれの仕事やプライベートの話へ。

ヤ「4月からこっち(鳥取)にきた」
お「え!?今年の4月からですか?え! じゃあほんとに来て間もない」
ヤ「本当に間もない、なので全然地名がわからない」
お「ようこそ鳥取へお越しいただきまして」

この4月に転勤で鳥取にやってきたばかりというヤスオさん。実はおさよさんももともとは県外出身ということもあり意気投合。会話が弾み気づけば時間に。

お「最高です(笑)」
ヤ「ありがとうございます」

Q.ヤスオさんは?
ヤ「よかったです、本当に。もうすごくしゃべりやすかったですし」

いい雰囲気でデートを終えた2人。

Q.おさよさんどうでした?
「めっちゃよかったです。すごい、初対面なんですけど初対面じゃない感じがしてちょっといい感じがしました。 すごくワクワクドキドキしています」

そして、イベントの最後に、連絡先を書いた紙を交換し、カップル成立となります。

おさよさんはというと・・・その隣にはヤスオさんの姿が。

まずは友達からということですが見事カップル成立となりました。

お「めっちゃうれしい気持ちです」
ヤ「僕もうれしいです」
お「県の主催でイベントをやっているのがやっぱり面白いと参加してみて余計思いました。すごく参加のハードルが低かったのと大人数に一度に会えるというのがすごくいい点だと思うので今後も続けてほしいと思います」

★★★★★★★★

中山紗希 アナウンサー
取材したおさよさん、無事にヤスオさんと出会うことができましたが、今回、このお2人合わせて29組のカップルが成立しました。

こちらの数字、全体の約6割にあたる人数がマッチしたという結果になるんですが、その要因について、主催した鳥取県の担当者長谷川さんは、
「『婚活』」の概念を崩す要素を 取り入れることでイベント参加のハードルも下がり多くの人が参加し出会いの機会が増えたこと、アプリ活用で気持ちの発信のしやすさがあったこと」
などをあげていました。

ゲスト 小幡美香さん
「今回、密着していた方は最初からマッチしてデートできていましたがマッチしなかった人たちはフリータイムどうしてたんですか?」

中山紗希 アナウンサー
こちらご覧ください。

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「みなさんよく頑張ってますね。 婚活はハートの筋トレですから、 みなさんが一生懸命ハートのエネルギーワークをしてくれているのがこちらからもわかります」

実は、今回のイベントにはこれまで2000組以上のカップルを成立させてきた婚活コーディネーター荒木直美さんがMCとして参加していました。

荒木直美さん
「相手探しに苦労している独身者の皆さんが話す内容が無くて困ってたんで私がテーマトークをあげて盛り上げました。おせっかいを焼いて恋活がはかどらない人たちのために手助けをする役割です」

マッチしなかった人たちにアドバイスをするなど、出会いのチャンスを作る、いわば『橋渡し』的な取り組みもしっかり行われていたのです。

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中山紗希 アナウンサー
マッチしなかった人たちを放置したままにしない手厚いフォローもこの、高い成功率につながっていると考えられています。

鳥取県では今後もバーチャル世界での交流会を開くなど新たな出会いの形を提供し課題の解決につなげていきたいとしています。

最終更新日:2025年5月31日 8:00