島根県雲南市三刀屋町で3月、飼い犬の散歩後に犬が急死する事案が相次ぎました。現在も原因はわかっておらず、地域住民も不安の声を上げています。

雲南市三刀屋町の三刀屋川の河川敷周辺に立てられた複数の看板。犬の散歩をする際に落ちているものを食べさせないなど注意を呼び掛けています。

島根県薬事衛生課によりますと、3月下旬、雲南市三刀屋町で飼い犬の散歩後に犬が急死するという事案が4件あったといいます。4匹の犬の飼い主はそれぞれ異なり、この三刀屋川の河川敷周辺で犬を散歩させたあと、急死したということです。

急死した犬の飼い主の一人、雲南市三刀屋町の川津幸寛さん。川津さんは3月21日の午後6時頃、三刀屋川の河川敷で愛犬トラを連れて散歩しました。しかし3月22日の朝、それまで元気だったトラが横たわり、死んでいるのを見つけました。

トラの飼い主　川津幸寛さん
「まだまだ元気でバリバリしてるのに、急に横になっているだけで動きもせんですから。もう想像もつかないですよね」

悲しみに暮れていた川津さんですが、その6日後、犬を飼っている知人から他の犬も川の土手を散歩後に死んだ事例があったと連絡がありました。

トラの飼い主　川津幸寛さん
「そしたら4件も死んだ犬がおって、これはおかしいなといって警察に行ったんだよね。それから市へ話したり、保健所にも行った」

また、川津さんがトラが急死する前に行った河川敷での散歩についてその時の様子を聞くとー。

トラの飼い主　川津幸寛さん
「ちょっと見たらなんか茶色いものがあって、だめだよって、引っ張ったんだよね。これぐらいの茶褐色の何かがあった。だけど、それが本当かどうかわかりませんよ」

雲南保健所は川津さんの愛犬トラについて土葬してから約10日後に掘り起こし専門の大学で解剖を行うなどして死因を調べています。

トラの飼い主　川津幸寛さん
「だけど、かわいそうですよね。もう、家族と同じような格好で飼っていましたので。毎朝晩、歩いたところを散歩しています」

飼い犬の急死と三刀屋川の河川敷を散歩させたこととの因果関係は現時点でわかっていませんが、今回の件を受け、地元の愛犬家たちはー。

河川敷で犬を散歩している男性
「あまり、（河川敷の）下の方へ下りない。ちょっと上の見やすいところを歩いている。最近は犬を連れて歩く人が少ない。地元の人は夕方になるといつも連れて歩くんだけどもう見かけんようになったですわ」

取材をしたこの日も、河川敷で犬の散歩をする人の姿はほとんどみられませんでした。

一刻も早く、犬の死因が明らかになり、市民が安心して散歩ができる日が来ることが待たれます。