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【特集】「地域の方にとってはやはりプラスになる制度」 広がりをみせるライドシェア 山間地など交通空白地の移動手段として期待される中、タクシー会社など交通事業者の維持という目的も

2025年3月6日 7:02

安来市に住む深田周子さん88歳。ほぼ毎日外出を楽しんでいます。

深田周子さん
「おかげさんでね 毎日出ます。日曜日も出ます。祝日とかね、みんな出ます。ほんにありがたいと思っております」

深田さんが利用しているのは安来市が事業主体として関わり、民間タクシー会社と共同で行う「公共ライドシェア」。降りる場所は指定エリアのバス停があるところに限られますが、市からの補助があるため市営バスと同じ200円で利用することができます。
※75歳以上は100円

深田さんはこのライドシェアで、スポーツジムに通うのが日課です。

深田周子さん
「カーブス(ジム)に行ってね、それからお茶飲んでね。午後12時半か午後1時半にまたお願いして帰ります。それが楽しみです。バスだとね、こんなに出れんかもしれません。この年齢になってからはね」

公共ライドシェアの目的は、交通空白地の移動手段を確保することだけではありません。

安来市地域振興課 石川貢之さん
「タクシー会社が今後とも維持できていって、市民の皆さんの移動手段の1つとして継続していけるように、というのもあります」

公共ライドシェアを運行するちどりタクシー。8人いるドライバーの平均年齢は67歳です。

ちどりタクシー 小西基史 専務
「もう本当みんな高齢になってきて、募集してもなかなか(新しい人が)入ってこない状態なんですよね。だからみんな無理がかからないような格好で働いてもらってる状態ですね」

ライドシェアによる業務委託料は、年間約500万円。安来市は今後、公共ライドシェアの対象エリアを拡大する計画で、実現すれば新たな働き方による人材募集も考えられるといいます。

ちどりタクシー 小西基史 専務
「(ライドシェアの)時間が午前10時から午後4時っていう昼間の時間なんで、例えば子育てが終わった女性のセカンドキャリア、選択肢の1つとしてもらったらいいと思います」

島根県は2023年に立ち上げた専門者会議で、交通空白地を作らないためにライドシェアと既存の交通事業者の共存が必要だとしています。

島根県交通対策課 佐川賢一 課長
「(ライドシェアは)県民の方、あるいは地域の方にとっては、やはりプラスになる制度だと思ってます。それぞれの地域でどういうふうに交通体系を考えるか、という1つの選択肢になるのかなというふうに思っております」

新たにはじまったライドシェア。地域の足を守る一手となるのかー。
今後の広がりに注目です。

最終更新日:2025年3月6日 7:02