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「(供養のため戦死した仲間の手首を)切って焼いて持ち帰った」 戦後79年、失われつつある戦争体験者の貴重な証言 

2024年8月15日 5:25

■貴重な証言を残そうと取り組む自治体

東京のほぼ中央に位置する三鷹市。年々、失われつつある戦争体験者の声。こうした中、貴重な証言を残そうと、取り組む自治体があります。

三鷹市 平和・人権・国際化推進係 中塚 大 係長
「映像にして配信することで、どなたもアクセスしやすい、触れやすい当時の戦争の記憶を、風化させずに残していくことが映像化によって可能になる」

東京大空襲を経験した 荒川博さん
「どんどん焼夷(しょうい)弾が落ちて周りに火事ができて、子ども心にものすごく恐怖心を持ったことを覚えています」

戦争体験者の声を集めたウェブサイト。このサイトを運営しているのが、東京都の三鷹市です。平和事業に力を入れている三鷹市役所の庁舎の一角には、市にゆかりのある人から寄せられた戦争資料が並ぶコーナーも。


三鷹市 平和・人権・国際化推進係 山際 陽子 さん
「軍や戦地へ行かれた方が持っていた軍隊手帳だったり、そのころの様子を伝えるものも結構あります。ずっとご自宅の押し入れの奥深くに残ってましたよという方もいらっしゃいますし」

旧陸軍の演習の場に訪れた昭和天皇を写した写真や、南方の戦地で兵士が食べたという大蛇の皮など、150点以上の資料が展示・所蔵されています。こうした取り組みの背景には、戦時中のある出来事が…。

三鷹市 平和・人権・国際化推進係 山際 陽子 さん
「三鷹市には当時、中島飛行機という飛行機の工場がありましたので、その関係で最初に狙われた東京大空襲の口火になったところでもあるんです」

戦闘機の製造など軍需産業が盛んだったため、たびたび米軍機の空襲に遭い、多くの市民が犠牲となった三鷹市。悲惨な歴史を次世代に継承しようと、平和事業に力を入れています。そして2016年にスタートしたのが戦争体験談のネット配信「みたかデジタル平和資料館」。

市の広報誌を通じて体験者を募り、担当者が自ら取材を行います。