【読み解く】南海トラフ地震 30年以内の発生確率が80%程度 山陰でも被害の想定 私たちにできる備えは?

「One」では月に一度防災について考えるコーナーをお送りしています。
今回は近い将来、必ず起きると言われる巨大地震「南海トラフ地震」についてです。
担当は岩本アナウンサー(防災士)です。
■30年以内80%
今後、30年以内の発生確率が80%程度といわれているのが「南海トラフ巨大地震」です。
■100年周期の巨大地震
静岡県の駿河湾から宮崎県の日向灘沖にかけて広がるプレート境界を震源域とする巨大地震で過去100年から150年に一度の周期でマグニチュード8.0以上の巨大地震が起きています。
前回が1946年の昭和南海地震でおよそ80年が経過する中もういつ起きてもおかしくない地震です。
■10年ぶりの被害想定見直し
そんな中、3月31日南海トラフ巨大地震の被害想定が10年ぶりに見直され公表されました。
■全国と山陰への被害は?
新しい被害想定の震度分布の図です。
最悪の場合、震度6弱以上の揺れが全国で600市町村。震度7以上は149市町村に及ぶと想定されています。
そして、関東から九州の広い地域を10メートル以上の津波が襲うなど、激しい揺れと津波が「超広域」に及ぶことが特徴です。
山陰でも大半の人が恐怖を覚え物につかまりたいと感じる震度5弱前後の揺れが想定されています。
そして全国の最大の死者数は前回の想定の32万人あまりから29万8千人に更新されました。
そのうち7割が津波による死者とされています。
気になる山陰への津波被害は鳥取・島根両県ともに若干、潮位の変化がある可能性はありますが、大規模浸水などの被害は想定されていません。
生活への影響ですが、最悪のケースで建物への被害は全国で、およそ235万棟。
そして地震から1週間後には人口の1割に当たる1230万人が避難生活を強いられます。
山陰では鳥取県で300棟、島根県で400棟の建物被害。
避難者数は鳥取県で2700人島根県で2300人が想定されます。