昭和100年にあたる節目の年 タイムスリップしたような内装に懐かしい電動遊具もある喫茶店 時代を超えても残り続けるもの、残していこうとする人々 鳥取県倉吉市
今年は、昭和100年にあたる節目の年。そこで、倉吉市にある、昭和の雰囲気漂う喫茶店を取材しました。
〝昭和100年〟。今年2025年は、昭和元年から数えて100年目の年。激動の100年で、人々の暮らしはどのように変化したのでしょうか。時代を超えても残り続けるもの、残していこうとする人々がいます。
倉吉市にある、こちらの喫茶店。カラフルな外観や懐かしい電動遊具が出迎えてくれます。店内も、昭和にタイムスリップしたような内装。
この店を営むのは、生まれも育ちも倉吉市の大口さん。
大口店長
「実家が結構古い家だったので、こういう昔の雑貨、レトロなものがたくさんあったんですけど、リフォームをきっかけに食器とか家電とかすべて新しいものにしてしまってそれが凄く寂しくて」
店内には、昭和の家電や雑誌、おもちゃがずらり。15年前にオープンして以来、レトロなグッズは増え続けています。
そんな大口さんが今一番力を入れて集めているもの、それは鳥取県にまつわるレトログッズ。
大口店長「ご当地キーホルダーなんですけどこれはなかなか鳥取県では手に入りにくくて骨董市とかリサイクルショップを大阪市内で回った時に見つけたもの/おそらく大阪の方が鳥取に観光に来られて記念に買われて逆輸入というか」
Q.鳥取のお土産は、鳥取では手に入りにくい「そうですね、入りにくいですね」
ナレ)およそ30年前に鳥取砂丘などの観光地で販売されていたキーホルダー。他には、こんなものも・・・
大口店長
「倉吉線が廃線になるときのチラシというか広告、これもかなり貴重なものですね」
かつて倉吉市から関金町を結んでいた倉吉線。利用客の減少などにより、昭和60年に廃止になった路線です。
大口店長
「これ僕も乗ったんですけど店内に飾ってます」
およそ1万点ものレトログッズが並ぶこのお店。中には、昭和を知らない世代のお客さんも多く訪れるといいます。
来店客
「こう見えて平成生まれなんで、どちらかというと驚きというか新鮮さの方がありますね。最近流行りの昭和レトロ、というところが人々を引き付けるお店なのかな」
「一番好きなメニューはおすすめのオムハヤシ」「すーーげえうめえ」
とろっとろの卵が食欲をそそるオムハヤシに、色鮮やかなクリームソーダ。華やかで『映える』メニューも、この店の人気の理由の一つです。
しかし、夜になると・・・・
「あははははは!」
お客さんと店長が夢中になって操作しているのは・・・昭和に流行したゲーム機です。
来店客
「童心もだし、喋りながらできますよね、昭和のゲームって。やっぱりこの操作の簡単さがいいですよね」
昼間は〝映える喫茶店〟。夜は、昭和を生きた大人たちが童心に返って楽しめる、隠れ家的存在になっていました。
常連客のこちらの男性。小学生の頃にお小遣いで買った宝物のおもちゃをお店に寄付しました。
来店客
「これが40年前に買ったやつだから。こういうお店に寄付した方が、こういう子たちも見てもらって歴史刻めるからなと思って」
小さい頃の思い出をみんなで共有したいという思いから、家で眠っているおもちゃやレコードを寄付するお客さんも多いといいます。
昭和世代の憩いの場。店長である大口さんは、より昭和を残していくため、新たなことに挑戦しています。
大口店長
「昭和の古い時計たちを直して販売してずっと後世に残していきたいなと」
去年4月から、時計の修理を学べる大阪の学校に1年間入学、アルバイトとホテル暮らしを続け、見事、時計修理技能士の二級を取得しました。
実家が時計店を営んでいた大口さん。時計修理技能士だった父との思い出が、今も大口さんを動かしています。
大口店長
「鳴るかな?あ、鳴りますね父に直してもらった時計ですね。僕がこういうお店を始めるってなったときに、色々古い時計を整備して販売用に出してくれて。形見ですね」
大口店長
「小さい頃からこの商店街でよく遊んでいて、本当はこのお店の前の通りも以前はすごいにぎやかな商店街だったんですけど高齢化とかそういったことからだんだんとお店が減っていって、なんとか盛り上げていきたいなと そういう思いで頑張っています」