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石州和紙を使った赤ちゃん用の靴が万博に出展 全国から集められた約50の作品の一つに選出 石州和紙を広く知ってもらう機会に 島根県浜田市

2025年5月16日 18:58
石州和紙を使った赤ちゃん用の靴が万博に出展 全国から集められた約50の作品の一つに選出 石州和紙を広く知ってもらう機会に 島根県浜田市

島根県浜田市三隅町の伝統工芸士による石州和紙を使った作品が、現在開催中の大阪・関西万博に出展されることになりました。伝統の技を継承しつつ新しさも感じさせるその作品とは?

長さ12センチの小さなかわいらしい靴。赤ちゃん用の靴ですがなんと、石州和紙で作られているんです。

浜田市三隅町の伝統工芸士 川平勇雄さんが作ったこの石州和紙の靴が、大阪・関西万博に出展されることが決まり、5月15日に、川平さんが会場に展示される靴を披露しました。

川平勇雄さん
「そもそもこの靴ができたコンセプトというのが、歩き始めてから1歳の赤ちゃんに実際に履いていただいて、残しておきたいという思いからそういうコンセプトで作らせていただいているんで。原料は地元のものを使っているとか、これをパッと見だけでがわからない部分というのを何か感じるものがあったら一番いいのかなと」

川平さんは石州和紙の新たな活用のため、県外のデザイナーと協力して新製品の開発に取り組み、2012年に紙の靴を完成させました。

ヨーロッパなどでは1歳の赤ちゃんにファーストステップシューズと呼ばれる小さな革靴を送る習慣があり、それをヒントに制作。同じ年に行われた伝統工芸品を使った新製品の全国コンテストではグランプリを受賞しました。

この13年で100足以上作ってきたという紙の靴。今回、大阪・関西万博では地域に根差した伝統の技を継承する職人やクリエーターの作品を集めた展示に出展。全国から集められた約50の作品の一つに選ばれました。

川平勇雄さん
「いろんな方に見ていただくというのが重要だし。世界の人たちが集まるっていうのが、めったにないですからね」

東京オリンピックの公式グッズとして石州和紙を使用したうちわを制作した川平さん。今回の大阪・関西万博の出展も石州和紙を広く知ってもらうチャンスにしたいと思っています。

川平勇雄さん「いろんな選択肢のうちの一つに石州和紙というものが入ってくれればと思いますね。ちょっと見てみたいなとか産地に行ってみたいなとか思っていただければ、本当にありがたいですね」

川平さんの紙の靴は5月27日から6月1日まで大阪・関西万博の「饗宴!匠が演じる日本美の世界」で展示されます。

最終更新日:2025年5月16日 18:58