放射性廃棄物「核のごみ」 「文献調査」受け入れの請願が白紙の方針 益田市長が文献調査検討の中止を勧告 島根県益田市

原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場を選ぶ第一段階となる「文献調査」受け入れに向けた請願について、島根県益田市の経済界による研究会は一旦白紙にする方針であることが関係者への取材でわかりました。
これに対し、さきほど益田市の山本市長が会見を開き、研究会に文献調査検討の中止を勧告したことを明らかにしました。
益田市 山本浩章 市長
「全面的に中止するように松永氏に勧告しました」
益田商工会議所の松永和平会頭など、益田市の経済界の一部からなる研究会は、「核のごみ」の最終処分場を選ぶために、「文献調査」の受け入れに向けた動きを進めていました。
関係者によると、この研究会は5~6年前に結成され、「文献調査」の受け入れを視野に、北海道幌延町や青森県六ケ所村にある核のごみの関連施設などの視察を行っていました。
研究会は、早ければ5月末にも益田市議会に請願する予定だったということですが、先週末の報道や、島根県の丸山知事が文献調査に反対の意向を示したことから、市議会に請願しても通らないと判断し、研究会としては請願を断念することになったということです。
今回の動きを受け、益田市の山本浩章市長は19日の朝に松永会頭と面談。午後5時前、会見を開きました。
益田市 山本浩章 市長
「これ以上の紛議を避けるため、事態を収拾したいという考えから今朝がた、松永氏とお会いし、文献調査の受け入れについては完全に断念いただくよう勧告したところです」
松永会頭は勧告に対し、その場で「断念する」と明言はせず、「研究会のメンバーと話をする」と答えたということです。
益田商工会議所の松永会頭は日本海テレビの取材に対し、「やりたいという思いはあるが凍結、白紙にせざるを得ない」と話しています。
また、「文献調査を依頼した理由は最終処分場に向けてではなく、1026年に大津波で3つの島が沈んだという言い伝えがあり、真実かどうか文献調査で調べたかった。益田市の防災計画は洪水についてしかなく、津波の計画の作成に繋げるためだった」としています。