最大で基準値の620倍のレジオネラ菌検出「淀江ゆめ温泉」1か月ぶりに営業再開 事業停止中に再発防止策を実施 衛生管理を徹底し安心安全な温泉施設へ 鳥取県米子市
基準値を大幅に超えるレジオネラ菌が浴槽から検出され、体調不良を訴える人が相次いだため事業を停止していた「淀江ゆめ温泉」。再発防止策を取ったうえで、6月11日から営業を再開しました。
5月13日から事業停止していた「淀江ゆめ温泉」。6月11日午前10時、ほぼ1か月ぶりに、営業を再開。常連客などが次々に訪れていました。
入浴客
「(営業再開は)うれしい。週3回くらい通っているので」
「やっときょう再開されたので京都から参りました」
感染し重症化すると死亡する人もいるというレジオネラ菌。淀江ゆめ温泉は、5月初旬に最大で基準値の620倍となるレジオネラ菌が検出されました。施設では、利用者にレジオネラ症を発症した人がいることを把握していたにも関わらず、2週間以上営業を続け、これまでに5000人が入浴していました。
その結果、これまでに体調不良に関する問い合わせが、50件以上入り、3人が入院したことが分かっています。
米子市の指定管理業者である「白鳳」では、事業停止中に再発防止策を実施。そして、鳥取県が水質を再検査した結果、6月2日に陰性と判明し安全が確認されたとして、11日から営業を再開したのです。
11日の朝は、営業再開前に職員らが、浴槽の衛生状況の最終チェックを行っていました。
再発防止策として、淀江ゆめ温泉では、浴槽の徹底した消毒や洗浄をはじめ、加温用の配管や泡風呂の廃止、衛生管理マニュアルの見直しを徹底するなどの再発防止策を講じたということです。
白鳳 錦織宏明 専務取締役
「(事業休業中の)1か月間、従業員も一生懸命、清掃再発防止に取り組んできました。ようやく再開になりますけど皆さまの安心、安全を守っていけるよう努めていきたい」
入浴客
「逆にトラブルがあったから、きちっとなっていると思うので、もう(レジオネラ菌が)出ないようにして欲しい」
「皆さんから愛される地域に根ざした温泉に出来たらいいと思います」
全国各地の入浴施設でもレジオネラ菌が検出され問題となっているため、鳥取県は県内にある約130の入浴施設や旅館の一斉点検も実施。施設の利用者がレジオネラ症が発生した場合、原則鳥取県も水質検査を行うようマニュアルも見直すことにしています。
こうした中、11日に営業を再開した淀江ゆめ温泉。大山の清らかな水源から湧き出る名水としても知られていますが、今後は利用者が安心して入浴を楽しめるような運営体制の構築が求められています。