全国的に感染拡大の百日せきに警戒 山陰地方でも急増 乳児が感染すると死につながることも
細菌性の感染症である”百日せき”。乳児が感染すると死につながることもあるほか、従来の薬では効かない耐性菌も確認されていて、注意が必要です。
大人は、風邪と見分けがつかないような症状ですが、生後2か月までの乳児が感染すると死亡率は5~8%と注意が必要な感染症です。
この百日せきの感染が全国的に拡大。
山陰地方でも、直近8年の患者報告数の推移をみると、新型コロナウイルスの流行などで一時減少したものの、去年から急増。島根県では、ことしは既に去年のおよそ4倍となっています。
また、去年6月からの月別患者報告数の推移では、両県で感染のピークは異なりますが、増加傾向にあることが分かります。鳥取市内のクリニックで話を聞くと…
おおたに こども・ファミリークリニック 大谷英之院長
「週に1人2人くらいコンスタントに続いている感じです幼稚園の年長あたりから小中学校までくらいの方が多くなっています」
大谷院長は、「乳児の感染」と「耐性菌」の2点に警戒して欲しいと呼びかけます。
百日せきに有効なワクチンは生後2か月以降に接種する5種混合ワクチンに含まれています。
つまり、ワクチンを接種する前の乳児の感染に注意が必要です。
おおたに こども・ファミリークリニック 大谷英之院長
「東京で生後1か月のお子さんが亡くなったということもありますのでワクチンがきれる小学生あたりで1度3種混合の百日ぜきに対するワクチンを追加で打たれることをおすすめしたいのですが自費の接種になりますのでなるべくなら打っていただいた方がいいかと思います」
さらに、薬が効かない耐性菌も出ています。
鳥取県衛生環境研究所によると、去年6月から12月に届け出があった検体のうち、9検体から百日せき菌を確認。このうち、8検体が耐性菌だったということです。
おおたに こども・ファミリークリニック 大谷英之院長
「小さなお子さんがかかり抗生剤が効かないと命とりなこともありますので危機感はあります妊婦さんもワクチンを打って間接的に予防したりとかもできますし体調に不安なことがあったらかかりつけ医に相談していただければと思います」