【特集】閉校した高尾小学校 最後の児童となった2人が三成小で新学期をスタート 高尾小名物の落語を絶やさないためにクラブ活動として継続の調整を進める 島根県奥出雲町
3月、地域の人たちに惜しまれながら閉校した島根県奥出雲町の高尾小学校。最後の児童となった2人が新たな学び舎で新学期をスタートしました。
小学校6年生の渡部真央さんと4年生の岸本結生さん。2人は3月閉校した高尾小学校の最後の児童です。
奥出雲町立高尾小学校は明治10年に開校し、多い時には100人以上の児童が在籍していました。近年は人数の減少に伴い、複式学級を採用したり、体育や音楽は全校で行うなど、小規模校ならではのあたたかい雰囲気の中で授業が行われてきました。
渡部真央さん
「つるは昔首長どりって言ったんだ」
「へー首長どりでも足も長いぜ」
人前で表現する力を身に着けてもらおうと2013年に始まった落語。児童全員が落語を学び、小学校で開かれる寄席には毎回多くの人が駆け付け、地域の憩いの場になっていました。
しかしー。
奥出雲町の人口はこの10年で約3000人も減少。来年度までに10校ある小学校が2校に再編されることが決まりました。
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休日、結生さんが真央さんの家に遊びに来ていました。
2人のやり取り
「なに?食べるためにきた?さっきうどん食べたじゃん(笑)」
「お腹すいたな」
真央さんが定期持ってきました。
渡部真央さん
「こんなのでちゃんと名前が書いてあってこれが着いてたら乗るらしい」
4月からは、バスで7キロ離れた三成小学校へ通います。
Q.楽しみ?
「少し緊張感があるからあんまり楽しいかわかんない」
そして迎えた新学期。この日は初の登校日です。
三島啓介 校長
「頑張ってほしいんですが、いっぺんにたくさん頑張るんじゃなくて、ちょんぼしずつちょんぼしずつ頑張ろうねって。怠けていいということではありません。常にちょんぼしずつ前に進もうね」
全校100人規模の学校で、2人にとって初めて同級生ができました。
担任の先生
「3月ゆうご君とお別れして寂しくなりました。でもその分結生ちゃんが仲間入りをしました。みんなで何人?」
児童たち
「16人」
担任の先生
「はい。16人、良い仲間の4年生でいてほしいと思います」
戸惑う結生さんはクラスメイトと一言も話せずにいます。
その様子を見ていた糸賀康弘先生。去年まで結生さんと同じ高尾小学校で教べんをとっていました。
「話しかけてみたら。話しかけなよ」
背中を押されようやく・・・
一方、6年生の教室では。
「ゲームが好きな人」
クラスの親睦を深めるためフルールバスケットが行われていました。休み時間に同じ幼稚園に通っていた友達と盛り上がる真央さん。
渡部真央さん
「やっぱり幼稚園から仲がいいので、毎日このような学校にいれてうれしいです」
教科書取りに行く結生さん。
児童たち
「重たい。これ算数」「これ理科」
Q.結生ちゃんは?
「国語」
クラスメイトと少しずつなじんできて表情が柔らかくなる結生さん。
岸本結生さん
「1時間目は緊張したけど2時間目からこころちゃんっていう子と話したりできたので楽しかったです」
三成小学校での新生活は始まったばかり。これまでより多くの仲間に囲まれて、日々少しずつ成長しています。
また、高尾小名物の落語を絶やさないために三成小学校ではクラブ活動として活動が継続できないか調整が始まっているということです。