どうなる?休日の中学校部活動 “学校”から“地域”へ 「少子化」「教師の負担増加」が背景に 更なる指導者・地域移行が可能なクラブ・財源の確保が課題
■ 鳥取市の取り組み
鳥取市教育委員会で、部活動の地域移行にむけて活動している、西村晃さんです。
部活動地域移行統括コーディネーター 西村晃さん
「課題としては更なる指導者の確保、これが第一だと思います。地域移行が可能なクラブの確保。そして認定したクラブ活動を支援するための財源の確保、これがあげられます」
鳥取市では10年後に、生徒数が20%以上減る見込みです。
部活動地域移行統括コーディネーター 西村晃さん
「単独校で部活動のチームが組めなかったり、休部とか廃部になって生徒の希望する競技ができなかったりするような現状があります。地域移行によって、生徒がスポーツ・文化芸術活動に親しむ機会が確保されることを期待しています」
こう話す西村さんですが、休日にはー。
鳥取県岩美町・岩美中学校のグラウンドで、中学生に野球を教える姿が。実は西村さんは長年、中学校の野球部で顧問を務めた経験を活かし、「部活動指導員」として活躍しています。
部活動地域移行統括コーディネーター 西村晃さん
「鳥取西中の校長を退職してから、地域に貢献できるようにと思って、少しでも子供たちの力になればいいなと思って関わらせてもらっています」
この日は、鳥取市内の中学校3校の野球部が集まった合同チームの指導にあたりました。3校あわせた、野球部員は約15人。合同で練習を行うことで、チームを組んで試合ができる人数になり、岩美中学校と練習試合を行いました。
合同チームの生徒は
「他校ということもあって、なかなか平日は一緒に練習できないんですけど、自分たちだけでは難しい中で高みを目指していくところがいいなって思います。人数が多いと、やっぱり野球は楽しいなって思います」
合同チームの練習には、各学校の顧問に加え2人の外部指導員が参加し、サポートにあたっています。
部活動地域移行統括コーディネーター 西村晃さん
「子どもたちを地域全体で見ていくということが、今まで学校の顧問が当たり前のように見ていましたけど、結果的に地域で支えるとか、活動できる場を保証するといったことが、大事だと思います」
このような人材を確保するため、仕組み作りも進んでいます。鳥取市は、指導者を掘り起こし学校現場とつなげるために「スポーツ指導者バンク」を設立。広く登録を呼びかけています。
鳥取市 生涯学習・スポーツ課 田中優子さん
「現在の登録者数は19名。そのうち2名の方が、中学校の部活動指導員として活動されている状況です。スポーツ全般が対象となっておりますので、特にこのスポーツでないとといった制限はありませんし、広く専門的な知識や経験などをお持ちの方を募集しています」
子どもたちのスポーツ・文化活動の機会を守るためこれからも試行錯誤が続きそうです。