車3台がからんだ衝突事故 1人が死亡1人が重体 現時点での対策は? 事故現場を検証 島根県出雲市

5月31日、島根県出雲市の山陰道で車3台がからむ事故があり、女性1人が死亡、小学生の男の子が意識不明の重体のほか3人が重傷を負いました。
事故が起こった場所は片側1車線の高架橋の上。改めて事故現場を取材しました。
原型をとどめないほどに大破した普通乗用車。その近くには横転したワンボックスカーが。
5月31日午後2時40分頃、出雲市多伎町小田の山陰道で発生した普通乗用車2台と軽乗用車1台が絡む事故。
この事故で3台の車に乗っていた9人が病院に搬送され、このうち、普通乗用車の助手席に乗っていた65歳の女性が亡くなりました。
また、ワンボックスカーの後部座席に乗っていた福岡県北九州市の小学生の男の子が意識不明の重体となっています。
このほか4人が重軽傷を負いました。
近くに住む人
「交通事故した場所から120~130メートルのところに家がある。すごい、ドンドンって2回音がした。」
警察によりますと、大田市方面へ向かっていた女性の夫が運転する普通乗用車が対向車線にはみ出し、松江市方面へ走っていた軽乗用車とワンボックスカーに相次いで、衝突したということです。
事故が起こった場所は片側一車線の高架橋の上。6月2日に改めて現場を走ってみるとー。
太田健介 記者
「こちら現場なんですけれど、ゆるやかな下り坂のあとに上り坂となっていて、さらに上下線の間にはワイヤーロープが設置されていません」
普段、この道路を利用する地元の人に話を聞くと。
地元の人
「片側一車線ですのでね、やっぱりはみ出したら危ないなと思いながら対向車を気を付けながら走ってますけどね」
この山陰道を管理する国土交通省松江国道事務所では、片側一車線区間での事故防止策として、ワイヤーロープを設置するなど対策を講じています。
しかしー。
国土交通省松江国道事務所 山本 実 課長
「ワイヤーロープが設置されていないのは、長い橋やトンネルとかになりますが、基本的には構造的なことで設置できない」
50メートル以上の長さの橋やトンネルには構造的な問題で設置できないというワイヤーロープ。今回、事故があった橋の長さは510メートルでワイヤーロープの設置ができない区間でした。
国土交通省松江国道事務所が管理している山陰道の出雲IC~石見福光IC間の片側一車線区間では可能な場所へのワイヤーロープの設置は完了しているということです。
国土交通省松江国道事務所 山本 実 課長
「できる限りのことは、打てる対策はその都度考えておりますので、はみ出し防止でいえばワイヤーロープだったり、設置できる部分で対策は打っていたということになります」
現時点で、出来る対策はとったという中で発生してしまった今回の事故。
ただ、あまりにも甚大な被害が生じてしまいました。
今後、同じような事故を発生させないための措置を考えていく必要がありそうです。