【読み解く】“消滅可能性自治体”の発表で改めて考える 山陰の現状&脱却のポイントは?
■鳥取県の現状 自治体ごとに差が
一方、鳥取県。日吉津村が「自立持続可能性自治体」。8つの町が消滅可能性ありとされたのに対し、5つの町が今回脱却しました。脱却の理由を探すため、琴浦町で話を聞きました。
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鳥取県琴浦町といえば、「住みたい田舎」2年連続第1位の自治体です。東京の出版社が毎年発表しているランキングで、去年と今年「人口1万人以上の町」部門総合1位に選ばれました。この結果に、町の担当者はー。
琴浦町役場 移住定住推進室 浜川 明 室長
「住民団体さんとの連携が評価されての今回1位だったということで、住民の皆さんの活動に注目していただけたところも、大変うれしく思っています」
その住民団体のひとつが「ポレポレな暮らし」。民間のボランティアサークルで、地元の若者や移住者、地域おこし協力隊員が参加しています。「ポレポレ」とは、スワヒリ語で「ゆったり、のんびり」という意味。移住者が持つ不安などを気軽に相談できる団体です。琴浦町では、こうした団体と連携しながら移住・定住促進に力を入れていて、例えば移住者に対する住宅補助としては最大200万円を支給しています。
コロナ禍を機に、空き家を紹介するホームページも充実。360度カメラを導入し、現地に行かなくてもあらゆる角度から物件の様子を見ることができます。
こうした取り組みが実を結び、鳥取県琴浦町では、20代~40代の子育て世代の移住者が増加。移住者全体の80%を占めています。今後は、地域おこし協力隊の採用方法を見直すなど、関係人口の増加に力を入れる予定です。
琴浦町役場 移住定住推進室 浜川 明 室長
「今住んでおられる方が、住み続けたいという気持ちを醸成していくような施策も打っていきたいと考えています。そこに住む人だけでなく、琴浦町の周辺の方にも協力していただきながら、町づくりを進めていきたいと考えています。」
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一言で『人口減少対策』といっても、様々なアプローチがあります。各自治体の取り組みだけでなく、国全体の政策も求められます。今回の発表を機に、よりよい社会へ変わっていけばと思います。