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宿毛震度6弱地震から1年 各地の今を取材【高知】

2025年4月17日 18:47
宿毛震度6弱地震から1年 各地の今を取材【高知】
2024年4月17日、ちょうど1年前のこの日、高知宿毛市震度6弱を観測した豊後水道を震源とする地震が発生しました。
市民の多くが「南海トラフ地震だと思った」と口をそろえたあの日から1年。各地のいまを取材しました。

2024年4月17日午後11時14分頃、宿毛市で震度6弱を観測する地震が発生し、町では外灯が折れたりー家の瓦が落ちるなど多くの被害が出ました。

あれから1年。町の中では所々に地震の爪痕とみられるブルーシートがまだ残っていました。
宿毛市本町地区の地区長を務める田村定也さんです。

■田村定也さん
「教訓というか、地震の恐ろしさというものを(感じた)。南海地震と言われていたものが来たと思ったがあれが震度6弱、震度7というものを想定できない、大変なことになってくると思った」

地震の後、区内の被害状況を確認するため見回りをしたという田村さん。1年たった町を見て次のように話します。

■田村定也さん
「修復して、中は割合いっていなかったが特に屋根がひどかった。雨漏りとかで、それでこういう風に更地になってしまって、ちょっとさびしくなった」

地震の揺れで屋根や壁が壊れた影響により家を解体し、更地にしたところも多くあり、宿毛市本町周辺だけでも10軒あまりに上るといいます。

■田村定也さん
「町そのものの見た目はあれだが、古い家がなくなり、町の活性化、せっかく何とか持ちこたえているこの賑わいがこの地震でだいぶやられた・・・」

宿毛市駅東町にある酒店「なんかいリカー」です。
こちらでは地震の揺れで店の棚に置いていた酒が倒れ床に落ちた酒の瓶が割れてしまいました。割れた酒瓶は約300本に上り割れていなくてもラベルの汚れなどにより商品にならなくなったものも多くあったといいます。

店では地震のあと棚に紐をつけできるだけ倒れないようにしたほかすべての商品を棚に置かず裏の倉庫で保管するなどの対策を取っているということです。

■なんかいリカー堀金虹介 代表
「いまなにも付けていなかったら怖い、また1年前の地震の時みたいに商品が割れて落ちてとなったらつらいので」

地震を受け、地域の防災力強化の意識が高まっている地区もあります。宿毛市片島地区の地区長 橋本壮一さんです。

■橋本壮一さん
「あの地震のあとの余震でここは神社上だが、神社下に余震で何人か避難している人がいた、いままではそんなことなかった。意識は上がったと思う」

宿毛市片島にある一宮塩釜神社の裏山は片島地区の津波避難場所となっていますが人の背丈ほどの雑草が生えていたといいます。なんとかしなければと、地震のあと防災学習に力を入れる近くの片島中学校の生徒たちと一緒に草を刈ったほか、2024年11月に行われた高知県内一斉の避難訓練でも地域の人たちとテント設営の訓練に参加するなど地域全体で防災力強化に取り組んでいます。また、ここは隣の高砂地区の避難場所であることも地震後に判明。

片島地区の防災倉庫の横に新たなプレハブを設置し高砂地区の防災倉庫として使おうと基礎工事を完了させています。

■橋本壮一さん
「片島の場合は高砂区もあるし、中学校も生徒がいろんなところからきて130人ぐらいいて、授業中ならその人数があがってくる。少しでも避難しやすい環境づくりに努めていかないといけない」

宿毛市危機管理課によりますと、2023年度に比べ地震が起きた2024年度は耐震診断の依頼や補助金の申請が大幅に増え耐震診断は前の年の約5倍に、耐震化工事は3倍になっているといいます。

■宿毛市危機管理課 有田 巧史 課長
「これまでも色んな防災対策は進めてきたとところだが改めて南海トラフの地震に備えることの大切さを再認識した。被災後のより良い復興に向けてのまちづくり計画をしっかりと作り上げていきたい。また並行してこれまでにも取り組んでいる様々な防災対策の事業もさらに地域・自主防災の方々と一緒になって取り組みを進めていきたい」

いつか来る南海トラフ巨大地震に向け1年前の地震を教訓に私たちは備えを進めなければいけません。
最終更新日:2025年4月17日 18:50