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キラッ人 地域にコミュニティの場をつくろうと奮闘する女性【高知】

2025年6月11日 18:57
キラッ人 地域にコミュニティの場をつくろうと奮闘する女性【高知】
高知で輝く人を応援する「キラッ人」です。
今回は地域にコミュニティの場を作りたいと小さなマルシェを営む高知市の女性にスポットをあてます。

平日の朝から活気に満ちたこの店は高知市潮新町にあるコパンマルシェ。「近所の人が歩いて買い物に来られる店を」と、県内の農家10軒ほどから仕入れた新鮮な野菜を販売しています。この日は初物の桃が入荷しました。代表の徳平仁美さんは津野町出身で30年前、結婚を機に潮江地区で暮らしはじめ、2021年にコパンマルシェをオープン。常連客にとっては地域の寄合所のようなお店だといいます。

■お客さん
「ここが開いているときはほぼ毎日。ここへ来たら次から次へ知り合いがちょうど来てくれて、そんな場所。お店というよりはそんな意味でもわたしとしては大変役立っている」

店の名前「コパン」はフランス語が由来だといいます。

■徳平さん
「コパンは仲間。仲間が集まる市場みたいなイメージ。コミュニティの場所に使ってもらったり、さっきみたいに寄合所に使ってもらったり、みんなに活用してもらえる場所にそれぞれなったらいいなと思っている」
■お客さん
「(コパンマルシェは)すぐ野菜買えるし、安いし、おいしいし、店主がかわいい」

徳平さんは不動産会社に勤めた後、結婚して専業主婦になったため店をはじめた当初は野菜の仕入れ先すらほぼ知らなかったといいます。

■徳平さん
「野菜も農家さんも知らず行き当たりばったり。地域にちょこっとそういう場所があったらいいなと 地域活性化の連鎖っていうんですか。(周りが)応援してくれてその人がまた応援してくれて広げてくれて、ありがたい」

そんな徳平さんにご近所でライバルになるはずの青果店までもが協力。市場からの仕入れを手伝っています。

■むらた果実店 村田和隆さん
「日によって値段がいろいろ高いときもあれば安いときもあるので安いときに仕入れて渡しています」

多くの人に支えられながらマルシェを立ち上げた背景には徳平さんが肌で感じた地域の変化がありました。徐々に地域で子どもたちの声が聞こえなくなり、人のつながりが希薄になっていく地域を目の当たりにし徳平さんはコミュニティの場を作りたいと思うようになりました。

■徳平さん
「わたしはコミュニティの場所を作りたくて。防災・避難のときに隣の人が誰か分からない、避難してきたけど誰も知らない所でひとりで避難するとか、そういうことがコミュニティができることで少しでも減ると思うので、あそこのおばあちゃんがいないとか、この方はここのおばあちゃんだとか、ここのお母さんだとかいうことにつながってくると思うのでコミュニティの場が今はすごく大事だと思ってやっている」

そんな思いからマルシェをオープンした4か月後にママ友つながりではじめたのが月に1度のこども食堂です。毎月第4日曜日に子どもは無料で、大人は200円でカレーライスを提供しています。地域をつなごうと大忙しの徳平さんですが、夫の能久さんも建設会社につとめながらマルシェや子ども食堂を支えています。

■夫 能久さん
「(妻は)電池切れるまで動き続けるイメージ」

潮江地区で生まれ育った能久さんはマルシェが地域のコミュニティの場になっていることがうれしいといいます。
そしてこの夏、徳平さんはさらなる挑戦を計画しています。

●徳平さん
「アパートを作家さんのアトリエ兼ギャラリーにしようという計画。潮江が芸術の集まる港みたいになったらいいなと思って」

徳平さんが計画しているのは所有する築50年ほどのアパートを改装し、アーティストが作品を制作して展示販売する拠点を作ろうというもの。アパートは9部屋あり、1部屋あたり月3万円で貸し出す予定です。もともとのデザインや建具を活かしてリフォームする計画で各部屋の廊下側にはこんな工夫も。

■徳平さん
「こちらがショーケースをイメージしていて廊下側からそれぞれの作家さんの作品が見えるようにしたい」

すでに借り主が決まった部屋もあり、アパートは順調に工事が進めば6月29日にプレオープンを迎える予定です。

■徳平さん
「高知には作家やアーティストが活動できる場所、(作品を)作る場所が少ないので、そういうところが高知にもあったらいいなと思ってはじめた とても楽しみです」

人をつなぎ仲間とともに地域を盛り上げる徳平さん。これからますます大きなコパンの輪が生まれそうです。
最終更新日:2025年6月11日 18:57