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ドローンで高知の景色を撮影 『空からeyeましょう』新緑の時季の風物詩【高知】

2025年5月8日 18:52
ドローンで高知の景色を撮影 『空からeyeましょう』新緑の時季の風物詩【高知】
ドローンで県内各地の表情を紹介する「空からeyeましょう」です。今回は、新緑がまぶしいこの季節の風物詩。四万十町仁淀川町、2つの地域に根付く営みです。

風に揺られて気持ちよさそうに泳ぐ色とりどりのこいのぼり。その下を流れるのは清流・四万十川です。
高知県南西部、四万十川の中流域に広がる四万十町十川地区です。山が新緑に染まるこの時季に見られるのが「こいのぼりの川渡し」です。

今年は4月12日に約500匹のこいのぼりが四万十川沿いの国道と対岸の山の頂上を結ぶワイヤーにかけられました。色とりどりのこいのぼりが600メートル余りに渡って連なる姿は圧巻です。
こいのぼりの川渡しは、1974年に地元の「十川体育会」が「家であげられなくなったこいのぼりをもう一度見たい」という子どもたちの要望に応えて始まったもので、最初は50匹ほどでした。
それから現在まで半世紀余りに渡って地域の風物詩として続いていて、全国各地に広がったこいのぼりの川渡しの発祥の地ともいわれています。

また、1997年にはアメリカとカナダの国境を流れるナイアガラ川の上でこいのぼりの川渡しを成功させ、世界からも注目を集めました。十川体育会によりますと、立ち上げから50年あまりが経ち、当時を知るメンバーも少なくなってきいますが、こいのぼりの川渡しを見て育ってきた次の世代が作業に参加するなど思いは引き継がれているといいます。

■第1回から関わっている十川体育会・松元昭夫さん
「前のうちは全部人力で、山へワイヤーを引っ張り上げて、四万十川は船で川を渡して張ったりしていた。丸一日かかって線を張って、あとこいのぼりを吊って、大体2日くらいかかっていた」「子どもたちの嬉しそうな姿、ワイワイ言うて遊ぶ姿を見て、『あぁえいね、これはやっぱり続けていかないかんな』という感じはあった」「皆で、若い力を結集して70年・80年・100年まで続けられるような形でやってもらえたら嬉しい」

子どもたちの願いをかなえたいと始まった四万十町十川地区の「こいのぼりの川渡し」これからも地域の宝として引き継がれていきます。

続いてやってきたのは愛媛県境に近い仁淀川町別枝の沢渡地区。仁淀川沿いの渓谷の斜面に鮮やかな緑の葉をつけた茶畑が広がります。

この日は一番茶の収穫がおこなわれていて、地元で茶葉の生産や加工販売を行う「ビバ沢渡」の岸本憲明さんたちが約5ヘクタールに広がる一番茶の新芽を機械で刈り取っていました。この地区の茶畑は400年あまり続くとされる歴史ある場所ですが、過疎高齢化などの影響で維持が難しくなってきています。

そんな中でも岸本さんたちは地域のブランド「沢渡茶」として売り出すなど伝統産業の継続に取り組んでいます。

■ 岸本憲明さん
「沢渡地区の人たちも徐々に人口が減ってきたりとか、 茶畑とかも放棄された畑とかも徐々に出てきているので、そこらが昔とは違う風景にはなってきつつあるんですけど、まぁそこも寂しさもすごいあるんですが、自分たちができる事をやってこの風景を守っていきたいなと思っています」

すっきりとした飲み口と豊かな香りが特徴という。沢渡地区のお茶。静かな山里に今も続く原風景の1つです。
最終更新日:2025年5月8日 18:52