きょう「鎮火宣言」愛媛の山火事発生から半月…藤井キャスターが見る現地の今
藤井キャスター:
「私は今、今治市の朝倉地区に来ています。あちらの方見てみますと木々が焦げているのが分かるんですが、そこから視線を右の方にゆっくりと移していくと、山が広い範囲で山林火災の影響を受けていることが分かります。手前を見てみますと、すぐ近くに住宅街が広がっています」
現地では、“暮らしの再生”だけでなく“山の再生”も、大きな課題になっています。
創造園・越智将人さん:
「ほとんど燃えてしまった」
朝倉地区で造園業を営む越智将人さんです。
創造園・越智将人さん:
「こちら側に尾根を越したときに、あ、やばい。順々下に行くからもう止まってくれ、あそこはあんまり木がないから燃えんと思っとった。もう本当、どうもできないし。自分がどうもできない」
越智さんが見つめるのは、朝倉地区の笠松山。笠松山では17年前…
(2008年当時の映像)
松岡キャスター:
「今治市朝倉の野々瀬地区に来ています。火災発生から間もなく16時間、火は民家までおよそ200mというところにまで迫ってきています」
山の中腹で山火事が発生し、およそ107ヘクタールが焼失する被害が出ました。
越智さん:
「2008年に燃えたときにショックで。もっと真っ黒になっていたから。早く緑にしたいなと思って。娘と相談して、サクラになったらいいなと思って、ヤマザクラを(植えた)。娘が奈良に嫁に行ったが吉野山みたいな感じにサクラの山にしたいと思って。サクラというのもなぜ考えたかというと、合併する前は朝倉だった。“あ、さくら”ということで、ウチの娘が。だから“あ、さくらの会”ということで始めた」
越智さんは山火事の2年後から毎年、焼けた斜面に200本~300本ずつヤマザクラの苗を植樹。友人や地元の人と一緒に植えた苗木は10年間でおよそ2500本に上ります。高さ1mだった苗木は順調に成長し、徐々に、元の風景を取り戻し始めていた矢先に再び起こった、山火事。