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きょう「鎮火宣言」愛媛の山火事発生から半月…藤井キャスターが見る現地の今

2025年4月14日 17:00

藤井キャスター:
「ここから見て、越智さんが植えたところのサクラの木はどうですか?」
越智さん:
「今こちらから見えるとこは燃えている。入らせてくれない。消防がまだ入ってこの間まで残り火とか熱源を退治しとったから。この雨が降った後で、入らせてもらえたら入って確認したいなと。一緒に植えてくれた人らが心配してくれて。どんなんじゃろうと気にしとるから」

愛媛大学農学部の江﨑次夫名誉教授。笠松山の再生に携わってきた一人です。

江﨑教授:
「1回燃えて、15年たってこれだけ再生してたわけです。非常に残念ですね。実験地も燃えておりますので」

再び森を再生するためにはどのくらいの時間がかかるのか。

江﨑教授:
「再生はできます、再生はできますけど、非常に時間がかかりますね。我々が手を入れて(整備して)20年~25年、入れなければ倍くらいの年数がかかる」

そして、もうひとつ焼けた山で懸念されるのが…土壌が水分を吸収する能力“浸透能”の低下です。

江﨑教授によると、もともと、今治の山林を覆っている真砂土の浸透能は、整備された元気な森の半分以下でさらに、今回の山火事で植物が焼けたため、真砂土の浸透能は1時間あたり40~50ミリに。浸透能が低下することで“土砂の流出が発生しやすい”可能性があるといいます。

江﨑教授:
「(焼けたことで)杭効果で土を支えていた根がなくなっていく、そうすると場所によっては崩壊が発生する」

江﨑教授は、5、6年後には、これまで土壌を支えていた木の根が腐り、斜面崩壊の可能性を指摘しています。

「まず梅雨までに応急処置をしてやる。堰堤にするのは今から物理的に間に合いませんので。例えば大型土のうで災害が起こらないように土砂止めをしてやる。あるいは危ない地域に住む人はすぐに避難するシステムを確立させておくのが大事」

自然も、人の命も守るために大切な山の緑。

越智将人さん:
「悔しくて。家内と3年か5年やろうか、5年は厳しいやっぱり3年ぐらいは植えたいなと。市にまた言ってみようかなと思っている。このままじゃ終われない。せっかく10年やってきたのが何百本残っとるものが、それもほとんどないような状態になった中では、これでは終われない」