釣り好きが切り拓いた“予報官”の道 空を見つめ続けて37年…ふるさとで迎えるTHE LAST DAY
愛媛で長年携わってきたことに別れを告げる人の、最後の日を見つめる「THE LAST DAY」。私たちの暮らしに欠かせない天気予報。気象台で愛媛の空を見つめ続けた予報官の「THE LAST DAY」です。
松山市北持田町にある松山地方気象台。愛媛の気象や防災情報の発信拠点です。松山の気象台では約30人の職員が日々刻々と変わる天気の予報や観測、防災などの業務にあたっています。
松山地方気象台の職員で松前町出身の中塚健さん。世界中から集められた観測データや、スーパーコンピュータのデータなどをもとに、天気を予報する“予報官”です。
中塚さん:
「これは次の台風13号の予想の確認ですね。こういったもので大きな流れをまず確認していって」
予報官と気象予報士は、どちらも気象予測に関わる仕事ですが、予報官は、気象庁の専門職。長年、経験を積んだ職員だけがなることができ、その割合は気象庁全体のわずか15%ほどです。
松山地方気象台には中塚さんを含め5人の予報官が在籍し、気象データの解析のほか警報の発表など愛媛の天気と向き合っています。
中塚さん:
「気象台に入るまでは雲って全然意識してなかったので、みてみると雲の変化の多さに驚いたりとか、高さの変化に驚いたりとか」
日本の、ふるさと愛媛の空を見守り続けて37年。
中塚さん:
「毎日に近いぐらい。天気が悪くなければ。もう朝の散歩と一緒で朝の一振りをしております」
この日、休日だった中塚さんは伊予市内の海岸へ。
大の釣り好きだという中塚さん。ルアーも自作!1センチ未満のものから30センチのものまで、これまでに作ったルアーは何百個にも!
中塚さん:
「旅行とかも行きにくい状況で、新婚旅行以外いったこともないぐらい」
休みの日も、天気次第でいつ呼び出されるか分からない…そんな中塚さんにとって釣りをしている時間は至福のひと時です。
中塚さん:
「あー!沸いた沸いた!!ハマチの群れ!!あれあそこあそこ!!100mぐらい。すぐそこですね。行きますね!おし!きた!来ました!!」