【解説】梅雨入り早々大雨注意…今季の降雨傾向や特徴は?松浦気象予報士が詳しく(静岡)
9日に梅雨入りした静岡県内。10も日も県内全域で雨が降っています。九州では活発な雨雲が連なる「線状降水帯」が発生しましたが、県内でも本格的な雨の季節となり注意が必要です。今季の降雨傾向や特徴など含め松浦悠真気象予報士に伝えてもらいます。
(新静岡セノバ前から中継・松浦 悠真 気象予報士)
ことしの梅雨の傾向として、大雨というのは度々起こりそうなのです。2つ、ことしの梅雨は特徴がありまして、1つは前線です。ことしは太平洋高気圧の日本付近への張り出しというのがいつもよりも強いんですね。そのために、高気圧を回ってくる南からの温かく湿った空気というのが、前線に向かって強く流れ込みやすい状況になります。そうすると前線の活動が活発化する時期が出てきそうです。ずっとこの前線の活動が強いというよりは強い時と弱い時を繰り返しながら梅雨が進んでいくということになってきそうですので、(雨が)降る時にかなり降る、そういうメリハリのある梅雨になってくるかと思います。
実際ですね、今回の、この大雨についてもそういうような傾向があるのです。高気圧は今回は西側に強く張り出しまして梅雨前線が本州付近に停滞しました。この梅雨前線の少し南側のところで雲が発達しまして、今回は西日本を中心に警報の大雨となっています。きのう(9日)の夜は鹿児島県では線状降水帯が発生しましたけれども、こうして高気圧が強く張り出した時に、前線の活動が活発になって大雨になる…。こういったエリアが少し東にずれれば、静岡県内でも大雨になるということになるわけです。
もう1つのことしの梅雨の特徴としては、台風が上げられます。太平洋高気圧がいつもよりも勢力が強いのですけれども、北側に位置が少しずれています。そうすると南側が空気が少ないエリアになりまして、低圧部と呼ばれる大きな低気圧になってくるのです。フィリピンの東あたりで、ずっと渦を巻いている状態になりますので、この辺りで台風の発生が、これから一気に増えてくるというようにみられます。台風が発生して北上してくれば、前線の活動がさらに活発になるということが考えられますので、前線とともに、この台風についても、ことしの梅雨は注意しなければならないのです。実際、もう、台風が発生しそうです。南シナ海にある熱帯低気圧が、あす(11日)までに台風に変わる見込みです。中国の方向に進んでいきまして、その後、熱帯低気圧に変わっていくと思いますが、この温かく湿った空気が、次の週末から来週の初めにかけて日本付近に流れ込んできますので、雨の降り方には注意が必要です。