コメの民間在庫量 近年で最も低い水準に 販売価格は依然高値で推移【静岡】
農水省が発表した2024年産のコメの1月末の民間在庫量は230万トンで、近年ではもっとも低い水準となりました。
一方、コメの安定供給に向けた取り組みが全国の自治体で始まっています。
農林水産省によりますと2024年産米の1月末の民間在庫量は230万トンで前年の同じ月と比べ44万トン減りました。1月末としては近年では最も低い水準で、依然、品薄状態が続いています。
また小売事業者向けの販売価格は前年同月比で168.8%と高値となっています。
静岡県内のスーパーでは・・・
(杉本汐音記者)
「静岡市内のスーパーにはさまざまな産地のコメが並んでいますが新潟県産のコシヒカリは5キロ4000円を超えています」
2024年の同じ時期に比べると倍近い価格だといいます。さらに3月からも…
(田子重西中原店 増田店長)
「来週から一部の商品ではあるが値上げを予定している5キロのコメで300円くらい の値上げになってしまう」
これには買い物客も…
(買い物客)「買う方は困っちゃう値上がりがあまりにも大きいから」
(買い物客)「あまり高くないものにした、高い、すごく高い」*****
価格の上昇だけでなくコメの品薄も解消されないままです。
(田子重西中原店 増田店長)
「たくさん出してしまうと8月9月になくなってしまうと聞いているので問屋が1~4月 で割り当てをして8月になくな らないように手配していると聞いている」
26日農水省では、現場からの意見を聞き取る会議が開かれました。
参加者は、生産者やコメの流通に携わる、JAなどの集荷業者、卸売り業者。お弁当などを生産する会社など。
卸売り業者からは、こんな切実な声が…。
(卸売り業者)
「備蓄米が動くが現在も去年のコメの確保が十分ではない」
(卸売り業者 )
「現場で混乱が続いている」
既にコメ不足になっていて、仕入れが十分にできていないといいます。さらに・・・
(生産者)
「夏場の不足が続くことが心配」
今のコメ不足を受け、新米の取引が例年より早まり、結果“今年も夏場から、コメ不足が起きるのでは”など、懸念する声も相次ぎました。
この会議で話にあがったのは備蓄米の“放出”。3月半ばには業者へ引き渡され、3月末から4月にかけて、店頭に備蓄米が並ぶ見通しですが…、
外食業界に向けてコメを卸す“ある卸売り会社”からは、こんな不安の声が。
「21万トンの放出量は不十分。安い備蓄米に人気が集まり、すぐに足りなくなるのでは」
そんな中“コメ不足の解消”に向け、動き出す自治体が増えてきています。
農水省が公表した各都道府県の2025年産「新米」の生産量の目安では・・・
新潟県や北海道など29道県が増産へとかじを切ったのです。
独自の取り組みが進んでいるのが全国有数の米どころ秋田県です。
大館市の農産物直売所を訪ねると。
「ズッパーサンかわった名前のおコメですね」
5キロ3880円と値段もお手頃。実はこれ新品種のコメなんです。その最大の特徴は・・・。
コメ粒の大きさ。
「あきたこまち」と比べると平均で1センチほど長く1.5倍近い重さがあるということです。
あきたこまちの田んぼでかつてないほど成長が早く一際大きな稲穂を偶然発見。
試行錯誤を繰り返し、2024年農水省に品種登録されました。
気になるのはその味。
(記者)
「うん、甘いですね」そうですか/もっちりしていますねふっくらしていますねコメうまっ!コメ甘い!」
コメの甘みを感じられ、食べ応えもバツグン。ちなみに「ズッパーサン」という名前の由来は・・・。
(生産者)
「『ずっぱー』というのは大館の方言でたくさんという意味です(J)(アクション)たくさん」
ひと粒ひと粒が大きく暑さ寒さにも強い「ズッパーサン」“コメ不足”の救世主となるのでしょうか。